科学読物論〔著書紹介1〕
科学読物論のある著書
        論者・著書名             内      容
『仮説実験授業の論理構造』
      仮説実験授業研究会

庄司和晃 (1968,4) (1998,4復刻版あり)
庄司さんの「三段階連関理論」を構築した意欲作。その中に、「〈科学書〉の教育と仮説実験授業」と題する論文があり、科学読みものにも言及している。
科学の学び方、教え方』 太郎治郎社
板倉聖宣     (1975,1)
「科学とは何か」「科学の本の読み方、読ませ方」等で科学論、読み物論を展開                  
日本はじめての科学読物 国土社
板倉聖宣    
 (1982,4)
「民間科学問答」(現代訳)「訓蒙窮理図解」「科学読物のおいたち」の他「日本科学読物年表」もつく。 
『理科教育史資料6』    とうほう
板倉聖宣・永田英治    (1987,2)
総説で、「科学読み物と理科教育との関係」を記載、他は江戸末期からの科学読物、国定教科書の資料集
科学の本の読み方すすめ方』仮説社
板倉聖宣・名倉弘    
(1993,4)
「科学読物の読み方、すすめ方」「科学読物のおいたち」(板倉)「子どもとおとなをゆさぶる本」(名倉)がある。
大人も読んで楽しい子どもの科学の本』
西村寿雄
1995,6)  近代文藝社
世にある科学読物を「予想の本」「自然の本」「科学の本」に分類し、各分野の本の紹介をかねる。
『仮説実験授業研究V−6』仮説社
 「明治の科学読み物と石井研堂」
板倉聖宣(1995,6)
石井研堂がなぜたくさんの科学読み物を編集著作できたか。石井研堂の歩みと明治の科学教育について詳述。
『絵本への道』 福音館書店
加古里子(1999,5)
「科学絵本覚え書き」「絵本の表現法」の中で、科学読物論を展開している。      
『たのしく読める日本児童文学』戦前編 
鳥越信編著(2004,04) ミネルヴァ書房
科学読み物・科学絵本について西村寿雄,滝川光治が執筆紹介
『たのしく読める日本児童文学』戦後編 
鳥越信編著(2004,04) ミネルヴァ書房
科学読み物・科学絵本について西村寿雄,滝川光治が執筆紹介
『日本における幼児期の科学教育史・絵本史研究』滝川光治(2006,02) 風間書房 明治・大正期の科学読み物・科学絵本について詳細に研究された博士論文をもとに編纂された本
                                       

科学読物論〔著書紹介2〕
科学読物論が挿入されている「科学読物」

     論者・著書名                  内      容               
『ジャガイモの花と実』
板倉聖宣(1968) 福音館書店
後部解説で、「生きた科学の世界を知らせる本は、まだ見知らない事物の存在について豊かな夢を持たせ、…」と科学読物の意味を説く。
『空気と水のじっけん』
板倉聖宣(1970)   国土社
後部解説で、「なぜこういう教えかたをするか」で、自分自身で考える意欲を育てる絵本の在り方について解説 
『足はなんぼん』
板倉聖宣(1970)   国土社
後部解説で、「ねらい」の中で、「自然に対する問いかけ方を教える本」「科学というのは…」と、科学絵本の基本を解説
『ふしぎな石ーじしゃく』
板倉聖宣(1970)   国土社
後部解説で、「子どもたちは、磁石をめぐって空想の翼をひろげ…」と、子どもの探求心、好奇心を引き出す絵本について解説
『地球』 
加古里子 (1975)  福音館書店
後部解説で科学の本とは「おもしろくて、総合的で、発展的な内容を科学の本の軸にしたい」と、独自の科学読物論を述べている。     
『天動説の絵本』
安野光雅(1979) 福音館書店
「あとがき」で、「…新しい科学の時代をむかえるまでに天と地がひっくりかえるほどのはげしい変わりようであったことを子どもたちに伝えたい」
『砂鉄とじしゃくのなぞ』
板倉聖宣(1979)  福音館書店
「あとがき」で、著者(科学者)自身の「考えちがいや、考え不足を」書きつづる科学読物の意義と楽しさを書いている。
『ぼくがあるくと月もあるく』
板倉聖宣(1981)     岩波書店
後部解説で、「…なぞをたくさんもって生きていくことは、それだけでたのしいことです。この本でもそのなぞに直接答えようとはしませんでした。」
『自転車の発明』
板倉聖宣(1981)     国土社
最後の解説で「自転車の発明発見の話を読んで〈昔の人もうまく工夫したんだなあ〉と思えるようになったらそれでいいのです。…」
『地球ってほんとにまあるいの?』
板倉聖宣(1983)     仮説社
解説で、「常識を問い直すことの大切さ」を述べたあと、最近のカラフルな絵や写真について「科学の考え方の緻密さ、すばらしさが伝えられにくくなっているのではないか」と挿し絵の大切さを強調。
科学入門名著全集1 板倉聖宣
『原子の歌』    国土社 1991
ルクレチウスの原子の歌の紹介とこの詩の持つ意味。小学生にもわかる原子の話について説く。ルクレチウスの原子
科学入門名著全集2 板倉聖宣
『原子の科学』    同 1991
原著者ブラッグの解説と、「この世のすべての事物の本性は、この世をつくるアトムによって引き起こされている」と説く。
科学入門名著全集3 板倉聖宣
『微生物を追う人々T』同1991
レーウェンフックとスパランツァーニの微生物研究の実際を本文に。(特に解説はない)
科学入門名著全集4 板倉聖宣
『微生物を追う人々U』同1991
パスツール、コッホと人間性あふれた、人間くささを隠さない科学者の魅力を解説。
科学入門名著全集5 板倉聖宣
『時計の歴史』      同 1991
原著者イリンの伝記について詳述。
科学入門名著全集6 板倉聖宣
『燈火の歴史』     同 1991
イリンの文は「人間の素晴らしい知恵のはたらき、自然とのたたかいの姿がいきいきととらえられている」と説く。
科学入門名著全集7 板倉聖宣
『たまごの立つ話』   同 1991
原著者中谷宇吉郎の解説と、民衆の中から育つ科学について解説。
科学入門名著全集8 板倉聖宣
『茶わんの湯』     同 1991
原著者寺田寅彦の解説と、研究の楽しさを知っていた科学者寅彦の研究姿勢を書く。
科学入門名著全集9 板倉聖宣
『砂鉄とじしゃくのなぞ』同 1991
著者自身の砂鉄に関するとんでもない間違いをさらけだし、多くの科学者の間違いから学ぶことの大切さを書く。
『白菜のなぞ』 板倉聖宣
やまねこ文庫 仮説社 1994
白菜の流通史を通じて,種の概念の読み物についての記述がある。
サイエンスシアターシリース 原子・分子編
『粉と粒と分子』板倉聖宣 2001
他に『身近な分子たち』『原子と原子が出会うとき』『固体=結晶の世界』とあり,各巻に「原子・分子」に関する読み物論がある。
サイエンスシアターシリース 熱をさぐる編
『温度をはかる』板倉聖宣 2002
他に『熱と火の正体』『ものを冷やす』『熱と分子の世界』とあり,各巻に「熱」に関する読み物論がある。
サイエンスシアターシリース 力と運動編
『アーチの力学』板倉聖宣 2004
他に『吹き矢の力学』『衝突の力学』『コマの力学』とあり,各巻に「力と運動」に関する読み物論がある。
サイエンスシアターシリース 電磁波をさぐる編
『電磁波を見る』板倉聖宣 2006
他に『電子レンジと電磁波』偏光板であそぼう』光のスペクトルと原子』とあり,各巻に「電磁波と光・原子」に関する読み物論がある。

                                                科学読み物論」へ