バックナンバー 2016年 夏号
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1.府政報告会でいろいろな意見

 中村議員の恒例の府政報告・懇談会が5月20日、枚方市民会館で開かれました。この日、中村議員が報告したのは、
  1. 定例府議会に提案される予定の補正予算案などの議案
  2. 熊本地震への支援策
  3. 大阪における巨大地震への備え
  4. 議会構成委員会などでの検討結果
  5. 8常任委員会への所属変更
などです。なお、5月15日現在の支援状況は表のとおりです。

<説明資料    熊本地震 支援状況>

これに対して、参加された市民からは、

  1. 憲法問題と大阪の政治
  2. 災害時における備蓄のあり方
  3. 災害時に避難生活されている人の「風呂」はどうしているのか
などについての意見が出されました。

説明する中村議員

会場入り口に表示されている案内
 中村議員はさらに、議会の議長・副議長の選出、委員会の在り方などについて、枚方市の議会での選出の仕方との違いを説明するとともに、民進党議員団としての最近の取組みについて説明しました。
 次回の議会報告会の日程は未定ですが、決まり次第、ホームページでお知らせします。

2.新幹線の整備促進などで研修会

 中村議員ら民進党系の議員が4月27日・28日にかけ、新幹線の整備促進と大阪が進める施策の勉強会を開催しました。


 これは北陸新幹線(北回り新幹線)を一日も早く大阪まで整備しようと、長野・新潟・富山・石川・福井・京都・大阪の民進党系府県会議員と新幹線敷設関連市町村議員らが集まって、国や各政党に整備促進を働き掛けてきたもので、今回は新幹線に関する関西広域連合での取組み状況や、大阪の観光戦略、災害への備えなどについて担当部局からの説明を聞くとともに、意見交換し、さらに西大阪治水事務所が所管する津波・高潮対策としての水門視察などを行いました。

水門調査
この半円形の水門が約30分かけて下がり、高潮を防ぐ。
幅は11メートル、重さは520トン。
 中村議員らは5月中旬にこの日に協議したことを東京で、会としての整備促進を要望することにしています。

3.府政の課題で先進県を視察調査


 中村議員は府議会の定例会が3月24日に終了したことを受け、宮崎県美郷町と大分県日出町を訪問しました。
 美郷町は全国的にも珍しい常備消防のない自治体で、地域の住民が消防団を組織し、火災消化などにあたっています。しかし、急な発病や交通事故などの救急救命事件については「消防」がないため、町職員が住民からの要請を受けて、ボランティアで医療機関へ搬送業務などを行っていました。
 このような中、救急救命事件を放置できないと、当時、美郷町の調査に来ていた白川さんが、「救急救命業務」を町から引き受け、24時間常駐で対応しています。
 全国の1,719自治体で、常備消防がないのは30自治体で、一体どうして緊急時の患者搬送などを行っているのかを調査しました。
 さらに、日出町で展開している生活困窮者への対策と就労支援策などの調査のため、日出町に設置されている「けいせんプラザ」の視察も行いました。
 これについて、先日、議会の視察調査報告としてまとめていますので、これをご紹介します。

〇管外調査の日時・項目について

1.日時   2016年3月29日・30日
2.調査対象と地区
    @ 宮崎県美郷町の消防業務(救急救命)の調査(29日)
    A 大分県の生活困窮者対策事業等の調査(30日)
3.調査の概要等
    (1)宮崎県美郷町の消防業務(救急救命)の調査
 常備消防を持たない宮崎県の美郷町が民間の力によって、救急活動を展開していることが伝えられたことから、どのような取組みであるのか、また、それが住民に理解されているのかを調査するために訪問した。
 この日は、添付のとおり、議会の新玉副議長がわざわざ同席くださり、総合調整危機管理担当の菊池主査、救急業務を委託されている日本救急システム鰍フ白川社長らから、昨年に始まったこの取組みの説明を受けた。
 美郷町は南郷・北郷・西郷の3地区が合併して現在の美郷町になったが、人口は1万人に満たず、財政基盤も脆弱なことから、常備消防を持たない、全国でも数少ない自治体である。これまで、救急出動要請があると、町職員が交代で運転して西郷病院へ搬送していたが、あくまでもボランティアであり、職員にとっては相当な負担感があったとのことである。
 このため、近隣の日向市に事務の一部を依頼したようであるが、1億円を超える負担を求められたために断念し、最近までこの状況が続いていたようである。
 このような時、国士舘大学で救急システム研究科助手として救急救命士の養成をする傍ら、国家試験対策の会社を経営していた白川透氏が常備消防を持たない同町の救急業務を視察した。同氏はこの実態を見、救命士の必要性を感じる中、大学で救急救命士の資格を取ってもなかなか就職できない実態であることから、それぞれの改善に役立つのではないかと考え、2015年4月に町と契約し、業務委託に応じた。
 現在、救急救命士は9人で、2人1組で24時間待機し、西郷病院の指示に従って救急救命業務を行っている。しかし、あくまでも搬送のための運転は町職員が運転し、救急救命士がこれに同乗しているものである。
 現在は、北郷地区に常駐していて、南郷・西郷には待機していないため、今後、順次地区を追加する予定で、今年度には南郷地区に7人を配置し、平成30年度には西郷地区も加えることとし、美郷町全域をカバーしていくとのことである。
 美郷町は非常備消防としての消防団が強力な活動を展開しているが、病院関係者は「一日も早く常備消防が待たれる」と話しているようである。
 これを視察し、これまでの経過を聞き、この地域の若者たちはほぼ全員が、「町民は消防団に入って町のために尽くすのが当たり前だ」という使命を感じているように思えること、さらに消防団員は43歳までで、それから50歳までは後方支援に当たっているということが分かった。年間3千万円程度で救急救命業務を受け、頑張っている救急救命士の方々に感謝と尊敬の思いである。今年度からは約7千万円になるようであるが、伝統的な住民の絆、使命感に感銘を受けた。
    (2)大分県の生活困窮者対策事業等の調査
大阪府は生活困窮者対策を重要な施策として取り組み始めたが、昨年の暮れから大分県でこれへの取組みが顕著だとの情報に触れ、今回、大分県社会福祉事業団が日出町に開設した「宿泊型福祉施設・けいせんプラザ」を視察した。
 今回の視察では、県社会福祉事業団・渓泉寮の糸永寮長、事業団・けいせんプラザ総括の津島主査にお世話になった。生活保護に至る前段階の困窮者、生活保護の受給者、障害者の支援などを目的に昨年12月に開設したばかりの施設で、お二人とも、「施設利用者への支援を通じて、セーフティネットの一翼を担っていく」と力強く説明された。
 この施設の特徴は昨年4月に施行された生活困窮者自立支援法に基づく施設としての機能を果たすため、これまでからあった渓泉寮の敷地内に別棟(けいせんプラザ)を建てたものである。ここでは、生活困窮者に低額な料金で宿泊所を提供し、同法による支援計画を立て、必要なサービスを提供し、自立を促すとともに、路上生活者や、病院を退院したものの住居の無い人、ひきこもりなどで一般の人と生活リズムを合わせられない人らが生活し、就労準備をしていた。けいせんプラザのこれまでの対応事例の一部を別紙に示していただき、さらに施設内を見学したが、入所者は廊下でも普通に挨拶され、比較的健康な感じだった。すでに退所された方もあり、元気に就労されているとのことである。
 さらに、渓泉寮の障害者の作業所、ハウス内の三つ葉の水耕栽培などを拝見し、みんな元気に頑張っている姿を見、「頑張れ」と、声をかけたくなる。けいせんプラザは3階建てで8居室あり、2階は女性、3階は男性で、2階と3階は行き来ができないようになっていた。ご夫婦という組み合わせもあったが、ここでは夫婦もそれぞれ別に生活している。また、DVなどで子どもとともにということも想定し、写真のように非常に広い部屋もあった。
 生活困窮者だけではなく、障害者の家族の相談と短期入所によるレスパイトなど、制度の狭間の人にもしっかりと対応し、生活がしずらい人にも利用してもらいたいと語っておられた。全国でも厳しい環境にある大阪で、このような施策を充実させたいと思う次第である。

けいせんプラザの部屋1

けいせんプラザの部屋2

ハウスで三つ葉を水耕栽培で育て出荷している現場を視察した中村議員

4.本会議一般質問で大きな成果


 新年度の予算などを審議する定例府議会が2月25日から始まり、知事の所信表明に対する各派の代表質問(3月1・2・3日)、府政一般に関する質問(3月4・7・8日)など、本会議が3月8日まで行われました。
 中村議員は3月7日の一般質問で、多くの課題を取上げました。取上げた課題は次のとおりです。

1.傷害者差別解消条例
    府民、当事者から寄せられた意見には適切に対応していくべき。
2.小中学校の教育課題
    (1)生徒の問題行動
      @ 暴力行為などの問題行動に対する生徒指導機能の充実について。
      A 生徒の問題行動を未然に防ぐための指導体制充実について。
    (2)自転車免許
      自転車で通学する生徒や保護者に対してルールを周知し、保険加入と安全講習受講を自転車通学許可の条件にすべき。
3.家事支援外国人
    家事支援外国人の受入れを進めるにあたり、懸念される課題には万全を。
4.都市基盤の課題
    (1) 都市基盤施設の維持管理
      都市基盤施設長寿命化計画と今後の維持管理への取組みについて。
    (2) 新たな淀川渡河橋
      枚方大橋から御幸橋までは橋が無く、防災上の観点からも問題で、ぜひ早期に新橋を架けるべきだ。
    (3) 国道307号の渋滞対策
      国道307号と第二京阪道路の交差付近の渋滞対策について。
    5.財政運営
      財政調整基金の取崩しありきの財政運営は行うべきでない。
 この中で、自転車通学の質問は、当日の夕刊と翌日の朝刊に大きく掲載されました。

朝日・大阪日日の新聞記事

産経・読売・毎日の新聞記事

質問する中村議員 手前の演壇左端に18:59と赤色で表示されている数字は、
質問の持ち時間が後18分59秒あるという表示


新演壇で知事らと向かい合って一問一答で質問します



 それぞれの質問と答弁の要旨は次のとおりです。
      
質問 一般質問QA PDF形式

5.健康福祉委員会でも頑張っています

 3月10日から始まった8常任委員会は、2グループに分けて審議が続きました。Aグループは総務・府民文化・健康福祉・商工労働、Bグループは教育・都市住宅・環境農林・警察となっています。
 中村議員は健康福祉常任委員会に所属し、3月10・14・16日の3日間にわたって委員会がありました。この委員会で中村議員は3月10日、
@ 結核の定期健診を報告しない医療関係者への対策
A 医業類似行為業の把握と対策
B 介護施設等での事故を防ぐための監査体制などについて
C 民生委員・児童委員の負担軽減と後継者の育成
D 生活困窮者自立支援のあり方について
の5項目を取上げました。また、3月16日は知事に対して、介護現場などで、入所者を転落死させるなどの悲惨な事件などを受け、「今後、府はもっと重点的に現場の施設やこれを運営する法人への監査体制を充実するため、しっかりと体性を整備するべきだ」と指摘しました。

委員会の一般審査

委員会の一般審査

松井知事に質問する中村議員

中村議員の質問に答弁する松井知事

 健康福祉委員会で取上げた中村議員の質問の中で、民生委員に関する部分が朝日・読売・日経の3紙に取り上げられました。
     
質問の要旨は次のとおり PDF形式

6.民主党から国への意見書を4件提出

 2月定例府議会で、中村議員は民主党議員団として、意見書案を4件提出しました。国などへの意見書は、交渉会派の政調会長と副議長で政調委員会を構成し、ここで検討することになっています。毎議会の初めに期限を決め、それまでにそれぞれの会派が持ち寄り、また、それに対する対案も含めて調整します。
 この委員会は交渉会派によって構成されますため、民主・共産は加われません。そのため、中村議員は「オブザーバーで加えてほしい」と要請し、維新・自民・公明の3会派の理解を得て、加わっています。
 今議会に各会派が提出したのは下記のとおりです。

意見書の一覧 PDF形式

 これらをそれぞれ検討し、調整した結果、
意 2 駅利用者等の安全安心確保のため駅有人化を求める意見書
意 4  TPPの影響に関する国民の不安を払拭し、対案の確実な実行を求める意見書
意 5 児童虐待防止対策の抜本強化を求める意見書
の3件がまとめられました。
 民主が提案した10・11は理解を得られず、12・13については、公明党提案の児童虐待の防止対策の抜本強化を求める意見書の中に相当部分が含まれているので、改めて、別立てすることはないのではないかとの指摘によって、残念ながら取り下げることにしました。


7.傍聴のルールが変わる

 大阪府議会は、傍聴の取扱いをこのほど見直し、下記のように、一部を変更しました。これは、先頃、大阪市議会の本会議を傍聴していた者が、カラーボールを投げつけ、議会を混乱させたことを受け、大阪府議会でも起こりうることから、今回、このようなルールを決めたものです。本会議、委員会でも一般の傍聴が自由にできるものには適用され、間接傍聴だけの場合は関係ありません。
  1. 目的
    議場の秩序維持を図り、円滑で安全な議事運営を確保するため、傍聴席に入室する際の安全確認を強化し、傍聴席への持込物品を制限する。
  2. 実施内容
    (1)持込禁止物品の確認
    • 傍聴希望者に対し、傍聴受付時に金属探知器(ハンディタイプ)を使用して刃物等、金属製のものを所持していないか確認する。

      ※金属探知器による確認等、係員の指示に従わない傍聴希望者に対しては、傍聴席への入室を認めない。(傍聴規則第2条及び第5条第3項)

    (2)傍聴席への持込物品の制限
    • 筆箱、携行品を入れる小物入れ(ポーチ等)の持込みは禁止する。
      ただし、小物入れが必要な傍聴希望者には、ビニールバッグ(透明)を貸与する。
      【参考:現行の持込可能物品】
      • 傍聴のしおり等(傍聴に必要な資料を含む)
      • 筆記用具(筆箱、ノート類含む)
      • 財布、携帯電話
      • 時計、ハンカチ、鍵等、通常身に着ける携行品
      • 携行品を入れる小物入れ(ポーチ等)

    ※上記以外の物品(持込禁止物品)は、鍵付ロッカーに保管又は受付で預かる。
    (3)委員会における対応
    • 委員会における直接傍聴(知事質問等)の際も同様の取扱いを行うよう、議長より各委員長に要請する。
  3. 実施時期
    平成28年2月定例会開会日から実施


 大阪府議会議員 中村哲之助ホームページ