さらに午前8時という時間帯であったことから、通学・通勤の多くの方々が交通機関の運転見合わせ等によって車両内に何時間も取り残され、その後、徒歩で帰宅を余儀なくされることになりました。また強い振動で停止したエレベーター内に閉じ込められる人も数多くおられたと伝えられています。
府や関係市町村は直ちに対策本部を立ち上げ、被災者の救出、水道・ガス・道路・公共交通機関の復旧活動に取組みましたが、今回の大阪北部地震は私たちに様々な課題があることを教えました。
この地震の被害状況を安倍首相や石井国交相らが6月21日、大阪を訪れて視察するとともに、今後の対策について松井知事や関係市長らと意見交換しました。
さらに、国民民主や立憲民主も党府連に対策室を立ち上げ、情報の収集とともに被災者の要望を聞く等の活動を展開しています。
中村議員も震災直後から被災現場を回り、被災者とお会いして要望を聞くとともに、損傷した家屋の復旧作業の手伝いや、大規模被害の会った場所(公衆浴場の煙突倒壊現場等)の近隣住民の方々の不安の声に耳を傾けるとともに、避難所でご苦労いただいている方々の意見や要望等を伺いました。
今回の地震は大都市直下型で、通勤・通学時間帯と重なり、人口密集地であることから、様々な問題が生じました。 具体的には、
- 違法状態のブロック塀が放置され、これの倒壊によって死者が出た、
- 各鉄道会社が一斉に運転を見合わせ、安全確認のために再開までに長時間を要し、さらに再開を知らせる情報がバラバラでマヒ状態になった、
- ガス・水道などのインフラが停止し、日常生活に大きな支障が出た、
- 多数の帰宅困難者が飲料水などを求めたが確保できない、
- 電話が故障・通話集中のために自宅や職場への連絡をとれない
- 学校の休校措置連絡なども校長ではなく市長らのメールで大混乱した、
- 災害弱者である高齢者や障害者の要支援者名簿が十分に活用されなかった、
- 病院が非常時の発電装置の点検を長年怠っていたことで機能しなかった、
- 避難所生活を余儀なくされた方のトイレ、食事をはじめとする配慮が不十分などです。
家が倒壊するかもしれないなどの理由で、近くの避難所で生活することを余儀なくされた方々の声も深刻なものがあります。
例えば、
- 歩行困難な方がトイレへ行こうとしても、余りにもトイレが遠く、また昼は授業中で教室の前の廊下を通るため、はずかしいし申し訳ない思い。
- 寝る時に体育館の運動用マットを床に敷いたが、ベッドの高さにならないので辛い。
ダンボールで簡単にできる簡易ベッドを用意してほしい。
- プライバシー確保策をもう少し丁寧に…など、今後の課題として見直しが必要です。
名簿の有効活用を
また、2011年の東日本大震災がきっかけで、13年に災害対策基本法が改正され、障害や高齢で災害時の支援が必要とされる「避難行動要支援者名簿」の作成が義務付けられ、被災13市町(大阪・豊中、守口、茨木、寝屋川・四條畷・交野・島本・高槻・摂津・吹田・枚方・箕面)で27万人になりますが、実際にこの名簿を使って安否確認をしたのは8自治体に留まっています。災害時には名簿を活用した安否確認の実施を求めていますが、吹田・枚方・箕面は安全確認自体をしていなかったと日刊紙は伝えています。
被害状況を見て、全員の確認は必要ではなかったという自治体もありますが、今後に課題を残しました。
情報の整理・一元化が必要
新聞にも大きく問題点として指摘された一つに、「鉄道の運転見合わせと再開問題」があります。鉄道各社が再開のめどを示さず、「運転見合わせ」を続けると、利用者は帰宅の手段を選択できないため、多数の帰宅困難者が生じます。今回は各社の運行見合わせで、約400万人余りに影響が出たとみられます。また再開を知らせるのも直前であったり、再三のずれ込み、さらに各社バラバラのため、トラブルが相次ぎました。
松井知事はこれらのことを受け、6月22日、国に対し、「地震発生時の鉄道の運行再開に関する情報発信のあり方について、国は今回の事例を踏まえて検討をお願いしたい」と要望書を提出しました。
悪質なデマは許されない
地震直後にSNSで、「電車が脱線」などの悪質なデマが投稿され、相当拡散しました。さらに、「外国人がコンビニ強盗をする」などの在日外国人を差別するものもあります。中村議員は、「地震直後、不安と動揺が見られる時、悪質なデマや差別を煽るようなことは許されない。これについても知事にしっかりと対策を申し入れていきたい」と語りました。
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