CD−ROMの紹介

CD−ROMはおもしろい   雑誌『子どもと教育』より

 『子どもと教育』に書いた。私の記事です。  これをご覧の方々には、前半部分は必要ないかと思いますから、3からお読みください。

1.鳥の声まで聞けるのCD−ROM版の広辞苑



 カセット・ビデオ・フロッピーディスク、いろんな記憶装置がありますが、相当大きな記憶容量

を持っているものに、CD−ROMがあります。なんと広辞苑一冊を記憶させてもまだ余るという記

憶容量です。形は、音楽用CDとまったく同じですが、映像から音響から、もち

ろん図版や文字情報まで、あらゆる情報が同時に記憶できるのです。

 ですから、CD-ROMにすると広辞苑でもとてもおもしろいものになります。

 広辞苑と言えば「言葉を調べる」ものと考えるのが普通です。でも、CD-ROM版の広辞苑で

は、カラー写真(650枚)があったり、音があったりするのです。たとえば、鳥の「シジュウカラ」

を調べてみます。シジュウカラの説明も出てきますが、その外にイラストのシジュウカラとカラー

写真のシジュウカラが出てきます。そして、シジュウカラの鳴き声まで聞けるのです。鳥の鳴き

声は、84種類もありますし、鳴き声だけを一度に比べ聞くことも出来ます。

 その外、理科関係で言うと、周期律表があったり、太陽系の惑星のデーターがあったり、ノー

ベル賞の受賞者の一覧があったりもします。検索の方法も、言葉での検索・記憶の曖昧なとき

に関連する言葉からの検索、いくつかの条件からの検索、書籍にないいろいろな資料の検索

など、いろんな検索方法が用意されているのです。しかも、ワープロなどに引用する時にも、

直接コピーして直接引用するのですから、引用ミスがありません。

 同じ広辞苑と言っても、書籍版より遙かに情報量の多い、遙かに情報が引き出しやすい広

辞苑になっているのが、CD−ROM版広辞苑なのです。

 それもこれも、その膨大な記憶容量にあると思います。今までは、参考文献と言えば、書籍

だけを考えていたかと思いますが、これからは、CD-ROMのソフトも参考文献として視野に入

れていく必要がありそうです。


2.CD−ROMを教材として使おう!



 とは言っても、実は、授業で使えそうなCD-ROMは、まだそんなに出ていません。何しろパソ

コンの世界は、ゲームソフトとHソフトが先行してもっているような世界ですから、まだまだ教育

ソフトは少ないのです。私の手元にある「'96 CD-ROM SUPER カタログ Vol.2」(高橋書店)と

いう本には、教育ソフトはHソフトの1/2〜1/3 程度しかありません。しかも、学校の教材として

使えるものというと本当に少ないように思います。

 でも、よく探すと掘り出し物があります。今回は、そんな中から「人体」や「生命」に関するCD-

ROMをいくつかご紹介したいと思います。



3.ヒューマン ボディーがおもしろい!

@「インターネットアクティブ人体百科 ヒューマンボディー」
DDPデジタルパブリッシング \11,800 Windows・Macintosh版

 一押しでご紹介するのは、「ヒューマンボディ」です。

 このCD-ROMには、人体について、1200の画面と1000のイラストと100のアニメーションと1時

間にもわたるのナレーションが用意されているのです。もちろん随所に文章による解説も付い

ています。

 普通の書籍なら、自分の見たいものを探すのに、ページをパラパラめくるか、目次や索引を

目安にして探します。でもこのCD-ROMでは、まず「人体の機能」「人体の器官」「人体の系統」

の三のいずれかを選び、後は見たいと思う項目をどんどんクリック(選ぶ)していけばいいので

す。

 例えば、心臓を見てみます。

 まず「人体の機能」をクリックして、人体図の13項目の中から「心臓の拍動数は?」をクリック

します。解説画面が出てきます。その中の「心臓の拍動のしくみ」という項目をクリックすると、

女性の声が流れてきます。心臓の「ドッ」「クン」という音は、心室に血液が流れこみ逆流を防ぐ

ため弁を閉める時の音が「ドッ」で、心室から体に出ていくときに弁が閉まる音が「クン」だとい 

うような説明をします。この時同時にイラストが動くので、大変よく分かります。

 心臓のところだけで、画面が20、文書だけの解説13、テープと映像による解説が8。これだけ

用意されているのです。

 授業につかえるなと思うのは、それぞれの解説は短いので、人体全体を軽く流すこともでき

ますし、心臓などある部分を詳しくやるのならCTスキャンや電子顕微鏡レベルまでいけるので

す。テープの長さ1分前後で、授業に使うのに手頃かと思います。

4.マルチメデア人体はマニアック

A「マルチメディア人体」NECインターチャネル \15,800  Macintosh版・Windows 版

こちらは、NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体」をベースにしたCD-ROMです。2枚組で、人体

映像百科事典として「ダ・ヴィンチの書」、ナビゲーションゲームとして「ダ・ヴィンチを救え」

があります。(別々に購入することも出きる。)

 ゲームの方は、病に伏したダ・ヴィンチを救うために、自分がダ・ヴィンチの弟子となって、特効薬

を探すという設定になっています。5つのゲーム(@細胞 A臓器 Bシステム C健康 D病

気)にチャレンジして、楽しみながら人体の知識が身に付いていくとのことです。

簡易版の「ダ・ヴィンチの書」も付いていますから、ヒントとして見ることができます。

 私が使いたいなあと思うのは、「ダ・ヴィンチの書」の方です。ムービー80分、静止画1400枚、

テキスト25万字という膨大な情報です。

 「ヒューマンボディ」と違うところは、見るだけでなくいろいろな作業が出きることです。本に

メモを挟み込むように(文字でも声でも)メモしたり、必要な画像を並べて、自分だけのスライド

集をつくったり、しおりを挟んで見たいところをすぐに見られるようにしたり、もちろんプリント

アウトする事もできます。プレイバックで、あなたが見てきたページを最初から見ることもできます。

そして、クイズも付いていて、あなたの人体に付いての知識も試すことができます。

5.TVゲームで生命の歴史!

Bライフスケイプ生命40億年はるかな旅」
(テレビゲームメディアクエスト \ 6,800   PlayStation版)

 これは、パソコン用のCD-ROMではなくて、テレビゲーム用のCD-ROMです。テレビゲー

ムといっても本格的で、ベースは、あのNHKスペシャル『生命40億年はるかな旅』を特別編集

(総計約44分間に収録)したものなのです。毛利さんも出てきます。

 2枚のCDに分かれていて、原始の地球からヒトの誕生までを紹介してくれます。

 1枚目は、アクアスフェア(海の時代)編で、@DNA実験室 Aバクテリア実験室 Bカンブ

リア実験室C古代魚実験室です。

 2枚目は、ランドスフェア(陸の時代)編で、D巨大恐竜実験室 E飛行生物実験室 F哺

乳類実験室G霊長類実験室です。億年前〜)

 スティングレイ号に乗って、進化の不思議な世界に出かけ行きます。各時代にあったに実

験と観察が用意されています。

 「カンブリア実験室」では、脊椎動物の祖先の小さなネクトカリスになって、大きなアノマロ

食べられないように逃げ回って下さい。カンブリア時代の厳しい生存競争を実感出きるカリスに

でしょう。

 「霊長類実験室」では、チンパンジーになってバナナを採るゲームを楽しんでください。はじめ

は、道具なしで飛びつくだけ、うまく行くとレベルアップして台が出てきます。なぜか空中に浮

かぶ、床の上で空中をゆらゆらするバナナを採るのですが、失敗すると奈落の下に真っ逆さま。

成功すると棒が出てくるという具合にだんだんレベルアップするのです。

 テレビゲームとしては、おとなしい方だと思いますが、中身はしっかりしています。

なお、セガサターン版も用意されているそうです。




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