炎色反応を利用した「カラーファイアー」


 ぼちぼち、林間学校や臨海学校の時期ですね。こういった行事にかかせないものと
いえば、もちろん、キャンプ・ファイヤーです。
 普通、学級のだしものに重点がおかれ、点火といえば、トーチでオーソドックスに
火をつける、といったケースが多いようですが、この部分の演出を工夫すれば、ぐっ
とムードが盛り上がり、子ども達の心にいつまでも残るような印象深いキャンプ・フ
ァイヤーにすることができます.
 その一つの方法として、今回は炎色反応を利用した「カラーファイヤー」を紹介し
てみましょう。

 ずばり、その名の通り炎に緑や深紅や青や黄の色をつけるのです。
 材料の薬品は、学校出入りの教材屋さんに言えば、すぐ手に入ります。劇薬はあり
ませんし、安価です.(全部で2500円ぐらい)
■使用薬品と分量


アルコールランプ用のアルコール(50cc)+ステアリン酸(3g)+発色剤(3g)

※発色剤は、出したい色によって、・次の薬品の中から選ぶ。

・緑色…ほう酸
・黄色・・・せっけんを細かく削ったもの
・深紅…塩化リチュームか塩化ストロンチューム
・橙色…無水塩化カルシウム
※緑と深紅がきれいなので、この2色だけでもいいと思います。




※蛇足だが、上の写真左端の女の子、現在、全日本女子バレーボール選手の
 中野由紀(東洋紡)。当時小学校5年生。


■作り方

(1)アルコール、ステアリン酸・発色剤を100ccのビーカーに入れる(入れる
  順序はどれからでもよい)。そして、500ccのビーカーかカップメンの容器な
  どにかなり熱くしたお湯を入れ、その中につけて(つまり湯せんするわけです
  )、箸か何かで透明になるまで静かにかき混ぜます。(蒸気を吸わないように)

(2)透明になったら、アルミカップ(8号くらい)を二枚重ねにした物に移して
  そのまま15分ほど置いておくと、冷えて全体がゲル状になります。それでで
  きあがりです。

(3)何色も作る時は、色がまじる恐れがあるので、そのたびにビーカーや薬匙を
  取り替えます。または、1回ずつ洗います。
(4)できた物をアルミカップのまま、次の図のように、竹で作った空き缶トーチ
  の先につめます。(少し薬品がはみ出すかもしれません。その時は、拭き取っ
  ておく)そして、キャンプファイヤーが始まるまで、どこかにまっすぐ立てか
  けておきます。

 私も何回も行ないましたが、とてもきれいで感動的で子ども達に大好評でした。


■薬品の値段
 アルコール      500ml    500円ほど
 ステアリン酸     500g    720円ほど
  塩化リチューム       25g    500円ほど
 塩化ストロンチューム    25g    400円ほど
 ホウ酸        500g    840円ほど
 無水塩化カルシューム 500g    500円ほど

     (『子どもと教育』あゆみ出版 1990.7月号に収録)
          (「おもしろ実験・ものづくり完全マニュアル」東京書籍 収録)

※ 転載される場合は、必ず佐藤昭夫まで、ご連絡下さい。

 

空き缶トーチ