―わたし好みの新刊―
2009年10月
『 ホネホネどうぶつえん』 西澤真樹子監修 アリス館
『ホネホネたんけんたい』(2008年2月刊)に続いての2冊目である。
今回は,だれでもその気になればいつでも見られる〈動物園にいる
動物〉の骨を紹介している。これなら,本物の姿を頭に浮かべながら
骨に親しめる。
中表紙にいきなり大きな脚の骨がでんと登場する。
「やぁ!ホネホネどうぶつえんへ ようこそ!
こんな 足を もっている、ぼくが だれだか わかるかな?」
と問いかけて,大きな蹄が添えられている。馬か? 違いました。
ページを繰ると…。
こんな調子で,文も親しみやすい。
「ゆうらり ゆらり、まるたのような おおきな 足で ゆっくり歩く。
わたしが だれだか わかるかい?」
と語りかけて,奇妙な形の足の骨が写っている。いったいなんという
動物だろう?
「○○○だ」「○○○○さんだ」と子どもたちの声が聞こえそう。
おもしろいのは,首の骨。キリンの首はさすが骨も長い。わたした
ち人の首の骨は7個つながっているとのこと。それでは,キリンの首
の骨の数は? 本を見てのお楽しみ。
骨の標本とは言え,写真がとてもきれい。見ているだけでも楽しい
骨の本である。
最後に「ホネホネたんけんたい」の紹介もある。
骨に興味をもったあなたも隊員にどうぞ。
2009年7月 1,500円
『地球と宇宙のおはなし』
チョン・チャンフン・文 山福朱美・絵 講談社
珍しく韓国の作家の絵本である。簡潔で分かりよい文と山福朱美さん
の力強い版画が力強く宇宙の姿が読者にせまってくる。
最初は,なんにもみえない真っ暗闇の宇宙が描かれている。まわって
いる空間の片隅に小さな星々が点々と輝いている。続いて,海と陸地の
コントラストが美しい地球の絵が出る。地球は宇宙に浮かぶ一つの〈星〉
なのだ。次頁は,強烈な太陽光線が地球を照らす図である。地球の半分
は太陽に照らされて昼であることが強く印象づけられる。次は月面の図。
明るい満月が大きく描かれている。そして,次頁は上弦の月の変化が出
てくる。
「月のかたちがかわるのは、/月が地球のまわりをまわっているから。
月のいちがかわるので、/地球から見える部分は、毎日かわる。
月が光ってみえるのは、/太陽の光があたるから。」
と簡潔に語られている。次頁は,強烈に光や熱を発散する太陽の図,続い
て,真っ赤に燃える太陽の図が力強く描かれている。そして,生き物がく
らす地球の絵が登場する。
「太陽は、地球にたくさんの光をふりそそぐ。/太陽が地球をてらし
てあたたかくしてくれるから、/地球の生物はみんな生きていける。」
と話がはずむ。このように頁を追って,最後は
「はてしない宇宙。どこまでもつづく宇宙。/これが、宇宙。」
と,天の川が浮かぶ銀河宇宙の夜空でページを結んでいる。初めて語る
宇宙の本として,子どもたちに読んで聞かせたい一冊である。
2009年7月刊 1,600円
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