私好みの新刊 202510

『オオコウモリのにぎやかな よる』 伊澤雅子/ぶん おおたぐろまり/え 

かがくのとも6月 福音館書店

 国内で普通よく見るコウモリはアブラコウモリ(イエコウモリ)で、民家

の屋根の下などに潜り込んで棲み家にしている。この本に書かれているよ

うなコウモリは山地などに棲むコウモリ(キクガシラコウモリ等)でたいて

いはの洞穴にペンダント状にぶら下がって休息している。この本に出てく

るオオコウモリは沖縄等、熱帯・亜熱帯地方に生息しているので、本州の

読者にはお目にかかれない種ではある。しかし、国内には〈こんな変わっ

たコウモリもいる〉ということで、この本は興味深く読めるのではないか。

 まず、表紙に大胆なオオコウモリの絵がのっている。足の先を木の枝に

ひかけて体は逆さまにぶら下がっている。最初のページに「ここは みなみ

の しま おきなわです。」と書かれている。ページをくると木の枝にぶら

下がって寝ている絵が出る。寝ぼけて落ちないかなと気にかかる。次ぺーじ

は、起きているオオコウモリの絵、翼を広げたりしても枝から落ちないでぶ

ら下がっている。次ページは、やがて暗くなって空に飛び立っている絵。

「つばさを ひろげると 1メートルちかく・」になるとのこと、さすがで

かい。つぎは、オオコウモリが木の実を見つけて食事している場面が続く。

あんがい小さなガジュマルの実を好むらしい。気になるのはおしっこをする

時どうするか。そのままでは顔におしっこがかかってしまう。さて、どうし

ているでしょうか。最後には木の枝にぶら下がって眠むるオオコウモリの姿

が描かれている。朝まで枝から落ちないで眠れるかな。今は関西圏まで広が

っているイソヒヨドリの絵も添えられている。

 日本列島は縦に長い。南の沖縄にはこんな変わったコウモリもいるという

ことで興味深いのではないか。ひらがなを習い始めた小学校低学年児から

読める。                 202506月 460

 

『みんなのプレートテクトニクス』 小田島庸浩/作 ウエタケヨーコ/絵 

バイインターナショナル 

 著者は地学専門の科学館学芸員。プレートテクトニクスの概念を子どもに伝

えるのはなかなか難しい。この本の出版に挑戦できたのは学芸員さんならでは

のことと思う。中味は子どもには難しい内容もあるが、まずはこの本の誕生を

歓迎したい。 

 まず「プレートテクトニクスってなんだろう?」から始まる。「大きな岩石の

板」と表現されている。これでイメージが膨らむかどうか。ページをくると地球

全体のプレートの地図が出てくる。プレート同士の動きが読み取れる。次ページ

は「地球の中はどうなっているのか」の場面が出る。マントル部分を「重い岩石」

と「とても重い岩石」と表現されている。マントルにあるカンラン石は深さでも

鉱物の性質が微妙に変わってくるので、この言葉はわかりいい。「プレートとは」

の説明で、岩石の性質と固さで区別されているが、これは分かるだろうか。地球

の熱の移動の話が出る。「流れ動くマントル」の図も出るがイメージできるだろ

うか。「重いプレート」がプレート境界で沈んでいく図はよくわかる。プレート

と地震との関連図は、あえて海溝型、断層型など書かずに絵でうまく表現している。

「マグマはプレートのさかいめの近くでたくさんできます。」とあるが立体的な

図もあればいいのでは。最後にインド大陸の北上でヒマラヤ山脈のできた図もあ

るがこれはわかりよい。

 終わりのページに解説があるが、大人でも地学に精通してないと難しい。鉱物

で「軽い岩石」「重い岩石」「とても重い岩石」の説明をしている。ようは岩石

を作っている鉱物の重さが岩石の重さと関係してくる。「軽い岩石」の説明で長

石の量の多さを書かかれているが、普通は石英の量により分けられている。

ウエタケヨウコさんの挿絵が生きている。   20252月 1,400円