「科学読物研究」

2003年5月 大阪研究会発表資料

 5月25日 大阪労働センター(エル・おおさか)

              資     料     名        発表者 ページ
近代科学と近代絵画
   近代絵画  〈遠近法〉の発明
高橋道比己 8P
近代絵画のぎほ技法・背景の歴史 高橋道比己 2P
遠近法利用のコンポジション 高橋道比己 4P
明暗を利用したコンポジション 高橋道比己 4P
大正・昭和期の鳥学者・「科学読物研究」作家
                  内田清之助
西村寿雄 7P
遺跡・化石発掘 創作読み物作家
                  たかしよいち
西村寿雄 8p

                     
                 話題


 
 高橋道比己さんの「近代科学と近代絵画」の研究が続く。絵画や彫刻の分野も近代科学の上に成り立っている。今回は、「視点によって遠近感が自在に返られる」というブレネレスキの発見と、それを自在に活用したアルベルティの遠近法の検証(1420年)がルネッサンスを開花させたというのはうなづける。
「平面的な宗教画を抜け出して、空間を意識した絵画の技法が展開された」という。こうした着実な技術の進歩が、確実にキリスト教の圧力をはねのけていったのではないか。
 この画家の自由な発想が、やがてルターの宗教改革に結びついた。
しかし、世の中はそうは一本道を歩まない。ルネッサンスへの反動から「バロック」様式も生まれたとか。

 西村寿雄の資料で内田清之助氏やたかしよいち氏の読み物を紹介した。終戦前後のこれらの本は、ほんとに読みやすい。読者をその場に引き込んでいく。これらの技法や文体に学びたいと思う。科学とフィクションとの結合ーそこに科学読み物の神髄が潜んでいるように思う。

    参加者   西村寿雄、高橋道比己、田中葉子、
            山本喜美、瀧川光治
                  

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