「科学読物研究」

2003年7月名古屋研究会発表資料

 7月13日 名古屋仮説会館

              資     料     名        発表者 ページ
ものの化け方を研究する学問の基礎 高村紀久男 冊子
ポリ袋を使った実験 池上隆二
神戸伊三郎の科学読み物 西村寿雄 12P
ピタゴラスさんとストラボンさん 西村寿雄 4P
レオナルドさんの化石研究物語 西村寿雄 7P
幼児教育におけるキンダーブックの役割 滝川光治
資料「日本児童文学」11-12号、「理科教室」7月号 滝川光治
色彩の科学 年表 高橋道比己 1P

                     
                 話題

 高村紀久男さんの『ものの化け方を研究する学問の基礎』は大作で、ぜひ
検討会を持って完成した書物にしてはと、いう意見が出た。今の中高校で化学がわかりにくいのは、「化学」という学問自体が体系化されていないからだという意見もあった。原子論を中心に化学の指導大系を書いたのが高村案。
 
池上隆二さんが、ポリ袋を使ったおもちゃを紹介された。長いポリ袋の所々に輪ゴムをはめて、ストロー笛を差し込むタイプと、紙コップに付けたポリ袋をふくらませるタイプ。ちよつとしたアイディアで空気の存在を知らせられる。
 西村の「神戸伊三郎の科学読み物」は神戸伊三郎の読み物紹介。神戸の『人間は進化する』に鼻の孔が二つあることの役割についての記述があるが、これは、今から見ると間違いととれる。このことから、昔の間違いの科学読み物のの事例を集めるとかなりおもしろい研究になるのではないかともり上がった。西村の他は『地球物語』からの意訳。
 滝川光治さんは昭和初期に発刊された「キンダーブック」を科学読み物絵本として位置づける研究をしているとの報告。
 高橋道比己さんは、「色彩の科学」の年表を見ながら、ギリシャ以降の科学の空白の謎に持論を展開された。ギリシャの科学ががどのような経過で、ヨーロッパ各地に伝わったのか、地理的な観点から検証された。イスラム圏の国にかなりの古文化資料が秘蔵されているのではないかとの推測も興味深かった。

、    参加者   西村寿雄、高橋道比己、池上隆二、
             高村紀久男、山本喜美、瀧川光治
                  

                                         「研究会資料一覧」へ