栽培植物や野草には、様々な香りを持ったものがあります。  
 今はやりのハーブなどは、実に様々な香りを持っていますし、乾燥さ
せてポプリにするだけで、手軽に香りが楽しめます。  
 時代劇などにも、織田信長が香木を時の朝廷に強要して切らせたと
か、香りにまつわる話が結構出てきます。  
 外国でも、体臭をごまかすために、香水が発達した話など、香りにつ
いて述べると、それだけで文章が終わってしまうくらい、色々とあります
が、今回は、単純に、花の香りを集める実験を紹介したいと思います。  
 本当は、野山に花が咲き乱れる春や夏がいいのですが、これから冬
にむかい椿などの花なども使えますので、一度やってみて下さい。  
 自分でやってみて、うまく香りが集めることができたら、クラブや理科
の時間に、野草の花などを使ってやるといいと思います。
 私も、サークルではやってみましたが、子供たちにはまださせていま
せんので、どんな反応があるか楽しみです。
 私の場合は、バラを使ったのですが、元々そんなに香りが強くありま
せんので、かすかに香りがするという程度でした。
 化粧品のメーカーなどは、本格的な装置を使い、純粋な香りだけ取
り出しているのですが、私たちの場合は、学校にあるフラスコやアルコ
ールランプのような機材しかないわけですから、花そのものと同じ香り
しか取り出しません。
 香りを取り出す原理ですが、花の香りは揮発性の成分でできていま
すので(そうでないと香りが私たちに届くわけありませんね)、水蒸気で
抽出できるわけです。

[準備するもの]  丸底フラスコ(500ccなど大きなもの、平底でもいい)
 三角フラスコ(これも500ccから1000ccなどのできるだけ大きいもの)
 50cc程度の小さい三角フラスコ、ゴム栓
  L字管(図にあるようなガラス管、曲げて作る)
  金網、ガストーチ(ガスバーナー)、鉄製スタンド3台  水槽、
  香りを集めるための花や葉っぱをできるだけたくさん

[実験の手順]
1:図のように装置をセットします。
2:500ccの三角フラスコに、花をちぎって、8分目くらいまで入れます。
3:500ccの丸底フラスコの水を加熱して、沸騰させ、水蒸気を隣のフ
  ラスコに送り出します。
4:その水蒸気で、花が蒸され、香りのついた水蒸気が、小さな三角フ
  ラスコの方へ押し出されていきます。
5:水槽の水で、その水蒸気が冷やされ、小さな三角フラスコの中に水
  滴がしたたり落ちます。
6:ほんのわずか(5〜10ccくらい)抽出すれば十分です。
  たくさんとろうと思って欲張っても、かえってへんなにおいになってし
  まします。何か、昔話にあるような教訓ですね。
7:ガラス棒で、少量を濾紙にとり、においをかいでみると、花の香りがし
  ます。     

花の香りを取り出そう