ドングリを食べよう

 秋になると、毎年低学年の子供たちが、ドングリや落ち葉を
学校中から集めてきます。
 以前から、ドングリや落ち葉を使って、図工の作品を仕上げ
るということがよくやられていました。

 しかし、それだけでは、たんなる図工の素材であって、今あ
る生活科の授業でそれをするとしたら、たいへんもったいない
ことだと思います。

 ドングリは、やはり食べなければいけないと思うのです。
  それは、ドングリが、大昔の人の食べ物だったからです。 
 お米が伝わってくるまでは、縄文人の主食として食べられて
いました。学者の研究によれば、食パンのようにして食べてい
たそうです。

 各地の竪穴式住居のそばからは、ドングリを貯蔵していた穴
がたくさん発見されています。博物館などに行くと、復元模型
や復元図が見られます。

 さて、同じ木の実である「栗」をふだん食べているのですか
ら、ドングリも食べることができそうですね。

 でも、どうやったら食べられるようになるでしょうか。
 「栗」でも、ゆがいたり、甘栗のようにして食べていますね。
 ドングリも、やはり、そのままでは食べることができません。
 「しい」の仲間は、フライパンで炒ると、ふつうの豆と同じ
ように食べることができます。甘みが出てきて、おいしいとい
う話ですが、実際に食べてみると、個人的にですが、ピーナツ
やピスタチオなどのように「あ、おいしいね」というようには
思いませんでした。食べることができるという程度です。

 その他のドングリは、「あく」といって苦味を抜かなければ、
とてもえぐくて食べることなんて無理な話です。

 この苦味は、水にとけますので、大昔の人は、袋に入れて川
の中に1週間くらいつけておいたのだそうです。
 生活の知恵ですね。

 私たちは、1週間も川の中につけておくことはできませんの
で、からをわったドングリを鍋で煮ることにします。

 室内ですると、えぐいにおいが長い間残ってしまいますので、
カッセトコンロや七輪で外で煮たほうがよさそうです。
 

ドングリだんごの作り方

1、ペンチで、ドングリの皮をとります。
2、鍋に入れて、水をたくさん加え、しっかり煮ます。
  その時、あくを取りやすくするのに、重曹(ベーキングパ
  ウダー)を少し入れておきます。

3、あくがいっぱい出てきて、水も汚くなりますので、1時間
  ごとに、水を取り替えます。

  その度に、重曹を入れるのを忘れないでください。
4、5時間くらい煮ると、ドングリの苦味はほとんどなくなり
  ます。(ドングリ団子の本などには、4時間でにがみはす
  っかりなくなると書いてありましたが、実際にやってみる
  と、5時間くらいはかかります)

  カッセトボンベが3本くらい必要です。

 

 これで、ドングリは食べることができますが、そのままでは
おいしくありませんので、つぶしたドングリに片栗粉や砂糖を
まぜて、団子やクッキーにするとよいでしょう。

 片栗粉や団子の粉が半分くらいになると、ドングリの味とい
うふうにはなりません。

 ふつうの団子やクッキーの味とまったくかわりません。

6、にがみを取ったドングリをすりばちに入れ、すりこぎです
  りつぶします。


7、ドングリがつぶれて、あんこのようになったら、片栗粉や
  砂糖を入れて、よくまぜます。市販の団子の粉でもかまい
  ません。さっきも書きましたが、入れすぎると、ふつうの
  団子とかわらなくなります。

8、だんごの形に丸めて、蒸し器で10数分蒸します。

9、蒸しあがっただんごにきなこをまぶすと、できあがりです。

 クッキーは、バターを入れたり、色々手間がかかります。クッ
キングの本などを参考にしてチャレンジしてみて下さい。  

 なお、食べられないドングリもありますので、図鑑などでよく
調べてから使うようにして下さい。事前に、校内のどんぐりので
きる木を調べておくと安心です。

 一般的には、シイ(スダジイ、マテバシイ)、くぬぎ、こなら、
カシワ、あらかし、あかがし、うばめがし、などが無難でしょう。


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