野草をくらしの中に
染める・食べる
小学校では、どの学年でも植物を栽培していますが、ここでは、特に栽培しているわけでもない野草に注目してみましょう。
もっとも、ものによっては、農家できちんと栽培しているものもありますので、一概にこれは野草だとはきめつけられないものもありますが。
草木で染めてみよう
以前は、低学年で花や実の汁をしぼって遊ぶ色水あそびがありましたが、最近は、生活科ということで、ほんとに遊んでおわりという感じになってきているようです。
私は、やはり昔から人々がやってきた草木染めに注目してみたいと思います。
もちろんジュースなど、飲料としての利用もあると思いますが、今回は、染めに限って授業に生かせそうな本を紹介したいと思います。
いちばんのお勧めは、少し難しいかもしれませんが、「草木で染める」(村上道太郎、大月書店)です。
この本は、染めのイロハから身近な草木で染める方法が紹介されています。
歴史的なことも各草木について紹介されていて、とても興味深く読める本です。
くらしと草木染めとのかかわりが、よくわかって授業の色々な場面で活用できると思います。
気軽に読める本としては、絵本形式の「母と子のたのしい草木染め」(林泣童、さ・え・ら書房)です。全部で3冊あります。
私も、3冊とも買うのは躊躇しましたが、選ぶとしたら1巻目でしょうね。
内容は、絵本形式といっても、かなりくわしく、なぜ染まるのかという解説などもあり、実際の役には立つ本です。
カラー写真も使い、染めた作品も、各々について紹介されていて、わかりやすくなっています。
以上の他に、草木染めの本として、「草や木のまじゅつ」(山崎青樹、福音館、月刊たくさんのふしぎ1985年6月号)があります。
この本も、絵本形式とはいえ、かなりくわしく解説が載っています。
私は、藍の葉のたたき染め以来、藍にこだわっていますので、その点からいうと、この本も、藍染めがカラー写真でくわしく載っていて気にいっています。
この藍染めですが、私は、藍の葉を発酵させた「すくも藍」を、作れませんでしたので、見学に行った藍染め農家のアドバイスをうけて、すくも藍を購入して藍染めに取り組みました。
子ども達は、とても喜んで取り組みますが、あとかたづけが大変でした。
野草を食べよう
次に、一般的には食べたりしない野草を食べてみようという本を紹介します。
栽培植物を食べたりする実践は、よくやられていますが、野草を食べるという経験は、ほとんどないし、野草と同じ感じの山菜も、食べる機会が少ないので、いいと思うのですが。
とはいっても、野草を食べるには、抵抗がある人(教師も子どもも)が多いようですので、やはり食べてみようかなと思わせることが必要です。
その点、「雑草クッキング」(小崎順子、農文協)は、はじめに、カラーのグラビアがあって、おいしそうな写真が載っているのですね。
野草を食べる本は、以前からももっていましたが、「ふ〜ん」という程度でした。それが、「おいしそ!やってみたい」と思ってしまいました。
この本は、野草の薬効も載っていて、「へ〜、こんなことに効くんか」と、おもしろく読むことができます。
もう一冊は、かなり以前に出た本なので、絶版かもしれませんが、「野草を楽しく食べる法」(早稲田大学なべの会、文潮出版)もわかりやすい本です。
こちらは、全ページ、調理方法のイラスト入りで、実際に作るにあたっては、かなり重宝します。
それにしても、O157以来、食べることに関しては、気を遣うことが多くなりました。あまり気軽に何でも食べてみようといかないところが、最近の悩みですね。
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