ベトナムの社会事情 交通問題


バイクの洪水は市民の息吹 夜中の徘徊は家族のレジャー 
道路整備で物流基盤確保が急務
 ハノイ空港からハノイ市内まで私たちが乗った車は「プォー、プォー」とクラクションを鳴らし通し。
前を走るバイクや自転車を蹴散らして走るためで、その喧騒で耳がいたくなるくらいです。
クラクションを鳴らされても平気な顔。
文句を言わず道を空けます。
日本なら殺人事件が起こっても不思議でないくらいてす。
どこからこれだけのバイクが出てくるのかと思うくらい市内はバイク天国。
ベトナムが活気あふれる国に思えるのもこのバイクにあるのではないでしょうか。
バイクは市民の息吹です。
ハノイ市人口120万人に対してバイクは約60万台。実に二人に一台。
自転車は約100万台。
一方、自動車は6万台と少ない。
自動車はナンバープレートが白は個人所有、赤は軍隊、ブルーは国家行政機関と区別しています。
免詐証は70cc以上から必要で18歳以上であれば取得でき、50ccバイクは16歳以上であれば免許は
いりません。
ウソのような話をひとつ。
現地ガイドしてくれたN氏の友人が自動車免許をとるためにマル秘作戦。
自動車の練習する時間がないので、知り合いの警察官に200USドルの賄賂を渡し免許を習得。
運転技術はどうしたかというとゲームセンターの自動車ゲーム機で練習したという。
今でも無事故で運転しているそうだ。
 市内のラッシュアワーは4回。
朝の通勤の7:30から8:00、昼体みの12:30〜13:30、
夕方の16:00〜16:30、それに夜の8時頃からの
ラッシュがあります。
それは帰宅後、一斉に家族連れでバイクのドライブを
楽しむからです。
市内をぐるぐる回るだけの俳徊ですが、娯楽の少ない
ベトナムでは夕涼みを兼ねたレジャーです。
1L4000ドン(約40円)のガソリン代はベトナムの
所得では決して安いものでなく高価なレジャーでしょう。
 市内の自動車の平均速度は20〜30km位。
徐行運転のスピードだから事故を起こしても大事故にはなりません。
しかし、右からも左からも斜めからも進行して来るのでタクシーの助手席に乗ると怖さを感じます。
特に横断歩道が少ないので歩行者は油断ができません。
コツはゆっくりと同じ速度で横断するとバイクの方で避けてくれます。
途中で止まるといつまでたっても渡れません。
無秩序のようで一定の法則があるようです。
タクシーは渋滞して動かないので、交差点にいつも待機しているバイクタクシーが手頃な乗り物になって
います。
料金はすべて交渉ですが2〜3km画の近距離は3000ドン(約30円)位です。
ビジネスマンは一日500円で借り上げます。
有名な3輪自転車のシクロは日本人は利用しない方が腎明と思います。
この3月に突然、ホーチミン市人民委員会が市民生活に影響があるとの理由で、ホーチミン市内への
大型車を昼間7時間にわたり進入禁止にしました。
社会主義国ならではのことで簡単に法改正するが、根本的に道路整備をしないと数年でホーチミン市を
はじめ主要な都市機能がマヒすることは容易に想像できます。
ベトナム国内の鉄道整備は機能しておらず、高速道路や基幹道路整備を早急に進め物流基盤を確保
しなければベトナムの経済発展の妨げになるでしょう。


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