7 1994年4月号
高齢者福祉の続報

高齢化・少子化社会の対応 新しい社会システムづくり

 前号の「主張・これからの福祉は自立の時代、高齢者は社会的弱者でない」については、地方紙にも
詳しく取り上げられたり、多くのご意見を頂き大きな反響を呼びました。
そのなかで具体的な高齢者政策のお尋ねが多かったので紹介します。
 65歳以上の高齢者のうち要援護老人(寝たきり、在宅、虚弱老人)は大阪府下で10.8%です。
逆に元気な老人は約9割弱おられるということです。
元気な老人の生きがい支援を増やせばそれだけ措置費が少なくてすみます。

急ぐ要援護老人対策
 私は要援護老人は『老人性障害者』と考えます。
今のように老人を寝かせ切りにするのは、「老人はベッドで寝ているものだ」という考えが根強いからです。
障害者なのだからいつかはもとの体に戻り社会で自立させるシステムの発想が大切です。
高齢者施策と障害者施策を連携させ、そのうえで行政が施設・在宅サービスなど数多くの選べる
福祉サービスを提供しなければなりません。
 福祉サービスのメニューや施設、医療機関の情報が得にくいので一体化した相談・情報サービスの拠点や
在宅で情報 が得られるコンピューターシステムの開発が必要です。
 もうひとつの視点は少子化対策です。
現在は5人で一人の老人を支えていますが、2020年には2人で一人の老人を支えるようになります。
女性の社会参加の増大によって、結婚しない女性と結婚できない男性が増え従来の社会システムでは
仕事をしながらの子育てや保育が難しくなっています。
保育所の夜間利用、育児休業給付、映画館やコンサートホール等に保育室設置の義務化など安心して
子供を産み育てるための新しい発想のシステムづくりが急がれます。
 高齢者や障害者が自立した生活をおくるために福祉の街づくりに取り組むことです。
昨年、枚方市が建設したシルバーハウジング(1、2階が特別養護老人ホームデイサービスセンター、
介護支援センター、3階以上が高齢者の府営住宅と福祉と住宅の複合施設)の整備をすすめ、第1号で
紹介した高齢者住宅改造助成や歩道の拡幅、段差解消で地域経済の活性化も図らなければなりません。



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