11 1994年8月号
北河内地域の救急医療体制の整備

高槻市と共同で3次救急を設置は人口より搬送時間で

 急激な超高齢化社会への対応や激増する交通事故でますます救急医療体制の整備が急務になって
きます。
医療内容も特殊、高度化が求められ、特に第3次救急医療の救急救命センターの設置が重要です。
 大阪府下の三次救急医療機関は17カ所でそのうち府三次救急医療体制は国立大阪病院救急救命
センター、大阪赤十字病院救急救命センター、千里救急救命センター、阪大特殊救急部、大阪府立病院
救急医療専門診療科、関西医科大学救急救命センター、近畿大学救急救命センターそして大阪府三島
救急医療センターの8ケ所があります。
 北河内地域は守口市の関西医大救急救命センターのみで、北河内地域7市の人口約120万人は、
厚生省の設置基準を上回っていることや、交通渋滞のため救急車の現場到着、搬送時間の遅延を考えると
北河内地域の北部方面にもう1カ所設置する必要があります。
昨年の枚方寝屋川消防組合の救急管外搬送は高槻市へ269人、守口市へ216人、大阪市へ172人と
高槻市の三島救急医療センターへ交通渋滞のため一番多く搬送していることがわかります。
これからの救急救命センターの設置基準は人口比でなく搬送時間も基準にすべきです。
大阪府は既に関西新空港と東大阪市に計画しており残念ながら北河内地域に府が救急救命センターを
新設することは考えていません。
 そこで、自治体として唯一高槻市が運営している三島救急医療センターと共同で運営することを
提言します。
同センターは、施設が手狭で建て替えが必要なのと他市からの搬送受け入れで運営費の負担を他市に
求めていることから枚方市は、@特に恩恵を受けている。A淀川を挟んで近距離にあること。
B同センターが大阪医科大学系で、枚方市民病院も同大学が主軸であり医療マンパワーの確保が容易で
あるので枚方市寄りに移設し、高槻市と共同で第3セクターか組合方式で運営することです。
将来的には交野市、寝屋川市、島本町を含めた4市1町の運営が望ましいと考えます。
この構想は同センターの田邊治之理事長と積極的に進めていましたが、残念ながら今年逝去されました。
何としても田邊先生の意志を生かし実現したいと思います。


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