21 1995年10月号 |
ひろがる金融機関の経営悪化 銀行法改正がバブルの引き金 大蔵・都銀の政策転換に原因 |
経営破綻した木津信用組合について多くの問合せを頂いたので前号に引き続きこ報告します。 調査によれぱ同収不能債権は8000億円を越え当初の約6000億円を大幅に上回る見通しです。 兵銀の回収不能額7900億円を越え金融機関としては過去最高になるのではないでしょうか。 今後の処埋スキームは大変困難を極めます。 木津信組の貸出額は約1兆1500億円。 そのうち約2000億円だけが回収可能。 どうしてこの様な乱脈融資になったのでしょうか。 鍵弥前理事長一族の族慢経営も原因ですが、大手都市銀行の紹介預金が上げられます。 特に三和銀行は木津信組に昭和63年度1294億円。平成1年度2008億円。 平成2年度1兆2400億円(いずれも総額)と信用組合の経営規模を無視した巨額の紹介預金をしました。 そのため膨らんだ資金を不動産融資につぎ込み大量の焦げ付きをつくりました。 平成4年11月には大蔵省の指導で全額引ぎ上げたことから穴を埋めるために高利で預金を集め、 より高い金利で貸出するため悪循環。 経営悪化の一途をたどったのは当然です。 大蔵省の金融政策の誤りを指摘したい。 昭和56年6月に組合員以外の貸付けは禁止されていたが貸付総額の100分20まで大蔵省は容認 するようになりました。 昭和57年4月1日に同一人に対する貸出金の限度額を規制した銀行法第13条を改正し、割引手形を 与信から控除しました。 手形貸付か実質的にフリーとなりノンバングか乱立、大口預金金利自由化も影響してバプル経済が 始まりました。 改悪に気が付いた大蔵省は平成5年4月1日銀行法施行規則第14条を改正、割引手形を与信に 参入するよう元へ戻しました。 この間に躍らされ経営悪化を招いた金融機関は少なくありません。 住宅金融専門会社(住専)問題や大和銀行問題をかかえ日本の金融機関の信用不安が国際的に 広がっています。 処理を間違うと世界的な金融動向に影響を写えることは必至です。 そのために大蔵省が金融システムの構築を早急にすべきで、木津信組の破綻処理システムも大阪府と どうするかという現実的対応と財政負担と別個に論議し大蔵省の責任は明確にすべきです。
【紹介預金】・・・大手金融機関の主取引先企業がコマーシャルペーパー(CP)を発行。 |
木津信組経営破綻対策に大蔵省、都へ
木津信用組合経営破綻問題に対応するために大蔵省、東京都、都議会公明を訪れ調査、意見交換して |
Copyright(C)2000 Kazuo Suzuki. All Rights Reserved. |