24 1996年1月号
村山首相の退陣に思う

早期解散総選挙で国民の信を 政権には政策と決断が必要だ

 正月5日に村山首相の突然の辞意表明。
人心の一新を退陣理由にしてあとの政権を橋本竜太郎自民党総裁に禅譲し、妥協政権を維持すると
しています。
1月22日からの通常国会で焦点となる住宅金融専門会社問題(3面に特集記事)で武村正義大蔵大臣と
矢面に立たなければならないことへの責任回避からいち早く退陣したとの見方もあります。
 平成6年6月29日に発足した村山政権を振り返ると、安保条約破棄、自衛隊違憲を政策としていたのを
あっさり転換、阪神大震災・地下鉄サリン事件の後手に回った危機管理の対応力欠如、社会党が反対し
続けてきた破防法の適用、沖縄米軍基地強制使用問題。
未期は住専処理への財政資金投入問題と閉そく状態てした。
その原因は、戦後、社会党は反自民・反権力の政党として存在してきたにもかかわらず、政治理念や
基本政策の全く違う自民党と連立を組んだことで多くの国民に政治への不信感と分かりにくさを与えました。
 野に下った自民党を復権させた村山首相の責任は重いし、再び政権を自民党に渡した村山さんは日本の
政治を混迷にした政治家、戦後50年日本の政治をダメにした首相として歴史に残るでしょう。
 世論調査も村山内閣の支持率が不支持率を上回ったことが一度もなく、株価も退陣が伝わるや
二万六六九円とこの日の最高値で引けたのも国民の思いです。
 その根源は政治理念や政策の全く違う自民、社会、さきがけの連立の妥協政治に多くの国民がそっぽを
向いた証拠です。
連立政権は最初に政治理念・政策の協議があり合意に達したところで首班指名するのが本来の筋です。
禅譲の橋本新内閣も民意を反映した政権とはいえません。
したがって国民が選んだ政権にするためには、早急に解散・総選挙を実施し国民の信を問うべきです。
世論調査でも国民の65%が解散・総選挙を望んでいます。
 政局の流動化が激しくなり、自民党主導で連立政権が運営され、自民対新進の二大政党化がすすむと
考えます。
その再編の波のなかで、社会党は埋没し村山さんは社会党の葬儀委員長になるかもしれません。
橋本内閣も社会・さきがけの顔色を見る数合わせのあいまいな政権になるでしょう。
あいまいな政治姿勢でなく正しい意見と決断がはっきりといえる政治がこの日本には必要です。
 橋本内閣のあとは、小沢内閣に一度はやらせて見たいと思われる方は多いと思います。
激動の日本を乗り切るために。


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