54 1998年8月号
大阪府財政再建プログラム素案

府民生活直撃は府行革の後で 人件費と大型開発プロジェクト見直せ

 大阪府の財政は、収入100%に対して歳出が112%(経常収支比率)にのぼり全国自治体のワースト1。
毎年5000〜6000億円の財源不足が見込まれ、このままでは準用再建団体(注:2P)に転落し、国の
管理下で府独自の事業が行えなくなります。
民間で言えば会社更生法が適用され管財人が国という状態です。
府はこの非常事態を回避するため7月末に財政再建プログラム素案を発表し、9月定例議会で論議
することになりました。主な内容は、
【府民生活に関係する施策の削減】
・一般施策は30%、建設事業は50%カット、
・私立高校授業料、幼稚園保育料の軽減助成費の削減、
・公立高校の入学料アップ、・医療費
公費負担事業の削減(障害者、高齢者、母子家庭、乳幼児)、放課後児童健全育成事業の削減等。
【府独自の見直し】
・教職員の削減(平成11年度から10年間で7000人)、
・早期退職年齢を50歳から45歳以上、
・府税事務所など組織の統廃合、
・職員の定期昇給を2年間凍結、
・特殊勤務手当の見直し、
・指定出資法人の統廃合(法人数を20%カット)、府OB職員の退職金廃止、
・公の施設を民営化、スリム化、
・大型開発プロジェクトの見直し、・府有財産の売り払い等。

 府の収入は景気変動の影響を受けやすい法人2税(法人事業税・法人府民税)が主になっており大幅な
収入減が原因としていますが、バブル崩壊末期の平成7年度に2000億円以上の補正予算を組み
公共事業費が過去最大の6467億円に膨張、そのため同年の借金(起債)は4389億円にのぼりその後の
府の財政を圧迫しました。
私が初当選した直後の補正予算なので気が付かなかった責任も感じますが、同規模の東京都や
神奈川県、愛知県が景気低迷を予測し公共事業を手控えた判断をみると府首脳の景気判断の甘さの
責任はあります。
抜本的な行財政改革も行わないで、そのツケを府民に押し付けてはなりません。
府財政再建の根本は人件費と大型開発プロジェクトの見直しにつきます。
「府民生活に直接拘わりのある施策の見直しについては後退させてはならない」を基本姿勢に9月議会は
臨みます。


検証 パークゴルフで町おこしに成功

北海道幕別町全国で679コースが稼働
 昨年、田中都市建築事務所代表取締役・田中義久さん(日本建築士会連合会青年委員長)から、
「町おこしで成功しているパークゴルフを研究して下さい」と紹介を受けました。
 15年前に公園の一角に直径20pの水道塩ビ管を芝生に埋め込んでゴルフと同じルールで始まった
パークゴルフ発祥地の北海道幕別町教育委員会を訪問(8月4日)してきました。
今では、道内193市町村で612コース。
本州でも38県67コースが稼働しており全11,904ホール数になります。
カナダ、ハワイ、オーストラリアなど海外6カ国にも広がり、国際パークゴルフ協会も設立、約300団体が
加盟するほど普及しています。
公認18ホール(パー66)で、1ホールの距離は20〜100メートル。
用地は1,5ヘクタール程度でよく造成費は3000万円程度です。
直径6pのプラスチックボール(900円)をロフト(傾斜角度)のないクラブ1本(14,000円)だけで打ちます。
ロフトがないので打球は飛び上がらず危険がありません。
三世代で楽しめゲートボールにとって変わるでしょう。
幕別町(人口22,369人)では、町おこしで昭和58年にグランドゴル フをヒントに試行錯誤して考案以来、
現在では町のコース(15コース)を年間約40万人(97年度)も利用するほどです。
利用料が無料なので町収入にはなりませんが、発祥地の知名度で観光客も増加、公認クラブを地元
ベニヤ工場に年間8000本以上委託生産するなど経済効果を上げています。
大メーカーのブリジストンがクラブやボールのグッズの生産参入しビックビジネスに成長しつつあります。
ゴルフのような広大な土地でなく公園や河川敷、遊休地が利用でき、比較的安い整備費が魅力です。
有料の民間経営(40コース)も増えており新しい産業と期待されています。
[問い合わせ先]幕別町教育委員会社会教育課TEL0155(54)2006



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