56 1998年10月号
自治体や商店街発行の商品券に期待

地域レベルの景気浮揚に貢献 商品券減税は消費喚起に効果

景気対策のため消費を喚起する商品券方式を98年4月号で紹介しましたが、自治体や商店街が実施し
景気浮揚に一役買っています。
人口約1万6000人の京都府園部町の場合、町の行事や施設の完成祝い等で電卓や安い時計を配って
いましたが、3年前に、商工会加盟の400店舗で使える町発行の商品券に切り替えたところ好評で、
約9割が消費に回り町内の売上が増加しました。
今年7月に商品券特別会計条例を制定し、有効期間3カ月の1000円券と3000円券を発行したところ1カ月
平均で約200万円の利用があります。
使い道は慶弔のお返しや老人会の記念品など様々です。
東京都港区の場合、商店会振興組合連合会が平成8年9月から1枚500円の共通商品券を発行して
いましたが、今年の4月から10万円以上購入すると10%、100万円以上なら20%の商品券が加算される
割増しシステムを導入。
加算分は港区が補助し区内の商店会の売上増に貢献しています。
板橋区でも緊急地域経済対策事業として区商店街連合会が10年前から発行している区内共通商品券に
補助金を出し、9月から10%割引きの商品券を発行しました。枚方市でも板橋区方式を検討されており
地域産業の活性化が期待されます。
地方とは発想が別ですが、公明は公約どおり、10月6日に商品券支給法案を参議院に提出しました。
政府が1人当たり一律3万円分の商品券を支給。
11年1月1日から1年間有効の500円、1000円券で国内であれば何でも購入できます。
市町村が交付事務を行い、商品券を受け取った事業者が郵便局で換金する仕組みで必要な財源は
3兆9000億円。
ちょうど3%から5%への消費税率引き上げ分に相当します。
したがって、冷えきった個人消費を呼び起こす国の経済対策の即効薬として政府は前向きに検討を
始めました。
ところが 「換金される」「貯蓄に回るだけ」、「減税の方が効果」と批判的な声がありますが、根底には
政府自民党が過半数割れしている参議院対策の一環として公明を取り組むためだから反対が本音でしょう。
政治的な思惑を捨て平成大不況と言われる景気を刺激するあらゆる発想と議論を政治の場で行うべきです。


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