72 2000年3月号 |
検証 コンビ二の進化 物品販売業から金融機関に 従前の小売形態は衰退一方 |
年々、お正月の雰囲気がなくなってきました。 一昔前は、元旦はどこの店も休業し、自宅で家族団欒でおせち料理を囲んだものでした。 最近は街角には必ずあるコンビニエンスストアが元旦から開店し年未に買い込まなくても済むように なりました。 コンビニが日本の文化を変えつつあります。 そのコンビニが流通そのものを根本的に変えています。 コンピニで公共料金の支払いが出来るようになったのは1987年、今ではセプンイレプンだけで公共料金 取り扱い高は年間に約6000億円を突破。 セプンイレプン(7732店)、ローソン(7016店)、ファミリーマート等の5社連合(11779店)を含め全国で 3万店を超える店舗網をもつコンビニは、24時間年中無休を武器に電子商取引に取り組んでいます。 主力にしているのはインターネットを通じて商品を受注、店頭で決済し引き渡すサービス(ネット通販)です。 ネット通販の決済は銀行・郵便局への振り込みでは営業時間の制約で不便さがありクレジットカード 決済では秘密保持に不安があるなど普及の妨げになっていました。 こうした問題を解決してくれるコンビニの存在は確実に「物品販売業」から「金融概関」に変質しています。 99年には初めてコンビニにATM(現金自動預け払い機)が導入されましたが東京三菱銀行等が2001年 春までに全国的な導入を発表しており、進化の一途です。 「こんな物まで100円?」と思わせるほど品揃えの豊富な100円ショップが急成長しています。 有力チェーン5社の店舗数は約2400店(日経新聞調べ)。 この5年で6倍に増加。 大手のダイソーでは2000年3月期で売上1400憶円、前期比71%増の見込み大手スーパーが100円 ショップをテナントで迎えるようになりました。 コンビニ100円ショップの台頭のあおりを受けているのが、商店街や小売商業者です。 大規模小売店舗法をたてに大手スーパーの進出に反対している間に巨大な流通チェーンができあがって しまいました。 流通業の形態が確実に変わってきており従前の小売形態では衰退する一方であり止めることは 出来ません。 |
Copyright(C)2000 Kazuo Suzuki. All Rights Reserved. |