74 2000年5月号 |
枚方市でPFI手法導入決定 冷静な事業化の見極めが重要 全国各地で導入の動きが活発 |
京阪・枚方市駅南口のクラボウ枚方工場跡地の枚方市の総合市民会館建設には新しい公共事業の 手法であるPFI方式の導入を提言し、昨年の府議選では公約(PFI方式導入の詳細は飛耳長目63、64号に 掲載)にあげていましたが、いよいよ地元枚方市で着手することが決定しました。 財政難の枚方市に替わり民間事業者が文化ホール、ギャラリーのほか、ホテル、飲食等の宿泊交流施設を 建設、所有、管理、経営するものです。 泉大津市が南海電鉄松ノ浜駅前再開発ビルの一部を利用した生涯学習センター事業をPFI方式で 行いますが、本格的な取組みは大阪府下では枚方市が初めてとなります。 平成12年度に政府の緊急地域雇用特別基金事業を活用し事業化調査の委託企業の公募を おこないます。 5月10日の説明会には30数社が詰めかけ注目を集めました。 今後の予定では6月中旬には選考が決定し、平成13年度に事業者の公募・選定をおこない平成17年の 完成を目指しています。 しかし、今回の枚方市が提案した文化ホール予定地は市が事業者に無償で貸し付けますが、宿泊・交流 施設予定地を有償にするのは採算性に無理があり全体の事業化の障害になると考えます。 国内での実績が乏しいなかで官民のスキームや採算性、責任分担など事業化できるかどうかの見極めが ポイントです。 全国各地でもPFI方式導入の動きが始まっています。 主なものでは東京都の水道局金町浄水場発電事業、神奈川県の保健医療福祉大学整備事業、千葉県 木更津市の君津地域広域廃棄物処理発電事業、福岡県大牟田市のリサイクルRDF発電事がありますが、 昭和40年代から全国の自治体が第三セクターを雨後の筍のように設立し多くが破綻をきたしている反省から 新しいPFI方式を根付かせるためにも冷静な事業化の判断が必要です。 安易に導入するのは避けなければなりません。 欧米で成功したPFI手法を日本でも定着させるためにも先駆的な枚方市の取り組みを支援して行きたいと 考えています。 |
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