98 2002年4月号
検証 辻元前議員の秘書給与流用問題

テレビ政治家テレビで墓穴 思いつきとすり替えの達人

 外務省疑惑の鈴木宗男氏、献金疑惑の加藤紘一氏、秘書疑惑の辻元清美氏と中真紀子氏、
BSE責任問題の武部勤氏、留まることのない衆議院議員の疑惑・失政問題は、国民の政治への信頼を
著しく悪化させた原困となっています。
 なかでも政策秘書制度を悪用し、税金をだまし取った辻元清美前衆議院議員の政策秘書給与流用
問題は、国民に大きな衝撃を与えました。
マスコミを通じ、不正を厳しく追及することを「ウリ」にしてきた辻元前議員。
他人のことは厳しく批判できても自分のことは口をつむぐ行為は政治家として裏切り行為です。
同じ政治に身を置く者として残念でなりません。
ヒーローであった辻本氏の何が問題なのか検証してみたいと思います。

■検証 ウソつき
 不正追及の先頭に立ってきた本人が、週刊誌の内容を全面否定し、自らの疑惑についてウソの
記者会見(3月20日)をし、政治不信を高めた責任は重いといえます。
また、記者会見で「政治にはカネがかかる」と弁明するのは、古い自民党議員体質と同じで、市民派を
標榜してきた姿勢とはまったく違います。
26日の記者会見で、週刊誌の記事を全面否定したことの言い訳は「誤りでしたので訂正します」ではなく、
「ウソでした」と言うべきです。

■検証 責任回避
 悪いのは自分だけでないと他の議員にも名義貸しがあるとする文書を配布したり、加藤紘一・鈴木宗男
両衆議院議員を引き連れてやめてやるなど、開き直りともいえる言動は、政治不信を拡大させるだけです。
そして、実態は税金の不正流用を本来の意味とは違う「ワークシェアリング」と表現するのは「すり替え」の
天才です。
 26日のMBSテレビに出演し、議員辞職を迫られると、秘書問題を論議するためとして参考人招致か
証人喚問の実施を要求したり、議員辞職勧告決議を求めるなどの条件をつけたのは政治家として
責壬ある態度とは思えません。
まったく子共じみています。

■検証 テレビ政治家
 「疑惑の総合商社だ」、「総理、総理、総理」、「ど忘れ防止法を適応する」数々のテレビ語録を連発。
感情込めて過激な言葉を使えば、何度も繰り返し放映してくれるテレビの特性をうまく利用して知名度を
上げてきました。
辞職記者会見でも議員バッチをはずすパフォーマンス。
最後までテレビにどう映るかを意識してきたテレビ政治家でした。
したがって、本来の政治家として中身が希薄なため、発言が二転三転したのではないでしょうか。
 身内の社民党幹部の反対を押し切ってテレビ出演し余計に国民の反感をかいました。
テレビ出演を優先させる感覚は、政治家の常識ではありません。
テレビ局の視聴率を考え相乗りしたご都合主義にも責任があります。
皮肉にも武器であったテレビを通じてウソの釈明をしたことが仇となり、最後はテレビで墓穴を掘ったと
いえます。
辻本氏の辞職は当然です。
 辻元氏はこれからもパフォーマンスを駆使しテレビを通じ復帰を図るでしょうが、名義貸しの仕組みを
誰から教えてもらったか言わないなど疑惑はまだ解明されておらず許せるものではありません。


銀行税の先送りを知事に要請

 東京都が大手銀行に課した外形標準課税(銀行税)が、東京地裁の違法判決を受けました。
都は控訴しましたが、資金量5兆円以上の銀行のみを対象にしたことから銀行側は「法の下の平等に
反する」と条例の無効を求め、真っ向から対立。
恐らく最高裁まで持ち越される公算が強いと思われます。
 大阪府も平成12年5月議会に、自民党が都の銀行税条例をそのまま議員提案、当時、知事選挙の
後遺症もあり十分な議論の無いままに共産党らの賛成で議決された経緯がありました。
私たちと民主党は、税負担の不公平性から導入に反対。
府も敗訴すれば、納税額還付加算金や損害賠償を支払わなければならず、総務省では全国統一型の
外形標準課税導入が検討されており、実現すれば府の銀行税条例も適用中止になることから4月1日に
太田知事に対し「そのまま執行するのでなく早急に善処するよう」民主党とともに要請しました。
 太田知事は「一審とはいえ司法判断が示されたことを真摯に受け止め、延期、先送りすることも
選択肢の一つ。
府民にとって何が一番良いか考える」と答えました。
5月議会が大きな焦点になります。


枚方・高槻市間 バス優先システムPTPSを導入

 枚方市と高槻市間のバス路線に、大阪府と大阪府警本部。
京阪バスは公共車両優先システム(PTPS)を3月25日から導入しました。
バスが交差点に近づくと、進行方向の青信号が長くなりバスの進行をスムーズにするものです。
また、午前7時から9時まではバス専用レーンを確保しバスの発着時間の遅れが無くなる予定です。
区間は枚方市のラポール枚方市交差から、府道京都守口線、国道170号線を経由して高槻市の
八丁畷交差点までの約6.3km。


戦後初の辞職勧告決議可決

 大阪府議会が、道路交通法違反(酒気帯び運転)の罪で、大阪地裁堺支部から懲役3年、
執行猶予2年の有罪判決を受けた奴井和幸議員(堺市選出−自民会派を離脱)に対し、府議会は22日、
府民の府議に対する信頼を著しく失墜させたと全会一致で辞職勧告決議案を可決しました。
 平成9年から飲酒運転、速度違反等を繰り返し、反省しない行動を正副議長が勧告しようとしたところ
本人が拒否したことで各会派が反発、辞職勧告決議が提出され、可決されたのは戦後初めてですが、
本人は辞職する気はないようです。



Copyright(C)2002 Kazuo Suzuki. All Rights Reserved.