100 2002年6月号
大阪は観光産業で都市再生を アジアからの集客を最大の施策に
 日本人の海外旅行者は1782万人、外国からの観光客(インバウンド)は約1/4の476万人。
国際旅行の収支は、約3兆5千億円の赤字です。
香港を訪れる観光客は年間1170万人、ロンドンは1146万人、それに比べると、日本全体でわずか
476万人は少なすぎます。
そのうち、東京が277万人で大阪は107万人。
このような不均衡をもたらしている原因は、日本の物価高、国際空港の利便性等があげられますが、海外へ
向けた情報発信の不足、観光資源の開発不足、観光振興への認識不足にあります。
 大阪府観光統計調査(H12年度)によると、大阪の総観光客数は年間1億3,423万人と極めて多く、
経済波及効果も2兆2255億円にのぼり、観光は一大産業といえます。
しかし、総観光客数のおよそ55%は府民観光客であり、府外からの観光客は45%。
宿泊客は全体の6%に過ぎず、府内および近隣府県からの日帰り客が圧倒的に多く、さらに外国人
観光客数は全体の1%に過ぎません。
大阪を訪れる外国人は、JNTOの訪日外国人旅行者調査(1999-2000年)の訪日外客数によれば、
@韓国94万人(府訪問率37%)A台湾93万人(同27%)B米国70万人(同14%)C中国29万人(同38%)
D香港25万人同19%)。
関西国際空港入国外国人数(出入国管理統計年報)からも、@韓国33万人(31%)A台湾21万人(20%)
B米国11万人(10%)C中国8万人(7%)Dヨーロッパ16万人(15%)と韓国、台湾、中国、香港などの
東アジアからの集客が多いことがわかります。
 2010年代後半に「観光ビックバン」が到来し、アジアの経済成長によりアジアから外国旅行者が
増加すると予測されています。
上海、ソウルなどアジアの各地に巨大空港が完全整備されると、関西国際空港はアジアの一地方空港に
なりさがり、ますます大阪の地盤沈下が進みます。
そうしないために、外国からの集客に焦点を当てた大阪の観光戦略が大阪再生の起爆剤になると
考えます。

◇大阪府の観光振興の課題◇

 大阪には、観光資源としていいところがたくさんあります。
しかし、観光資源開発や観光客の受入体制も不十分といえます。
たとえば、今月、大阪でも開かれた日韓共同開催のワールドカップ・サッカー大会に対しても、観光面から
大阪の取り組みがほとんどありません。
 大阪府は観光を産業として捉える意識に欠けており、如何にして外国から観光客を呼んで来るか、大阪に
滞在させるかという政策努力をしてこなかったと思います。
大阪府や大阪市、関経連、大阪商工会議所などで構成する大阪観光推進宣言策定委員会が、今年の
1月に「観光立都・大阪」宣言を策定しましたが、そのなかで具体的な外国人観光客数の目標を設定し、
経済政策としての観光事業と位置づけオール大阪的な官民一体の取り組みをしなければなりません。
 特に、大阪を訪れる外国人がアジアから多いことから欧米よりもアジアからの集客に焦点をあてる
べきです。

◇海外へ向けた情報発信◇

 集客のためには、外国人の立場の情報発信が不可欠です。
大阪府観光連盟の外国向け観光パンフレット(おおさか感動散歩)は、日本人向けのパンフを英訳した
だけなので、外国語が通用できない店も掲載してあり外国人には不人気です。
また、東アジアを対象にするためには、パンフやホームページにもハングル、中国語版が必要です。
 今年は、日韓交流年。
史上初の日韓共同制作ドラマ・深田恭子主演のフレンドや稲垣吾郎主演のTVドラマ・結婚の条件が
両国で放映され、韓国での日本大衆文化の垣根が取り除かれようとしています。
ドラマで大阪の町並みのシーンが紹介されており、映像の効果は無視できません。
大阪のイメージや知名度を上げるため、大阪ロケーションサービス協議会を設立させ、映画ロケ誘致を
図っていますが、アジアとの交流盛んなることは間違いなく大阪におけるロケーション誘致をアジアに
対しもっと積極的にPRすべきです。

◇観光資源の開発不足◇

 大阪に参加・体験型の都市型複合観光事業が少なかったが、USJの登場で、変わってきました。
特に外国の来場者では東アジアからが多くなってきており、他の集客施設との相乗的な魅力づくりが
大切です。
海遊館、通天閣、大阪城やアメリカ村など大阪市内の集客施設との連携はうまくいっているが、大阪府
全体としての相乗的な魅力に欠けます。
USJ観光と連動した府内市町村の観光資源の掘り起こしと連携が大切です。
たとえば、枚方市の百済王神社、王仁博士の墓など韓国の人が訪れる名所もあります。
市町村の観光名所の相乗効果で府内の観光産業の活性化が図れます。

◇関西国際空港の利便性を活用◇

 大阪を観光集客都市として目指すためには、関西国際空港の2本目の滑走路などの整備をおこなう
2期工事は必要です。
関西国際空港、りんくうタウン、アジアからの集客となれば、カジノの誘致もインパクトのある方策と
いえます。
日本人でも多くの人が海外でカジノを楽しんでおり、以前に比べるとカジノに対するイメージもよくなって
いますが、それでも、「カジノ」イコール「ギャンブル」というイメージも依然として大きいので、
りんくうタウンに「外国人専用カジノ」を設置することは可能と考えます。
いずれにしても、財政難の大阪府の予算を使わなくても、大阪の観光資源、民間のヒト、モノ、カネ、
情報の集積を最大限に活用した観光振興策で大阪の経済復興を目指さなければなりません。

 

<<提言>>愛する我が郷土・枚方の将来@
●宿場町と淀川舟運の復活で、枚方を賑わいのある街に

 古くから、淀川は三十石舟などが上下し京都と大阪を結ぶ交通手段として栄えてきました。
国土交通省が淀川に防災用の船着場を枚方市、寝屋川市、守口市、摂津市、大阪市に整備しており、
淀川大堰への門設置と阪神西大阪線淀川橋梁のかさ上げが完了すれば、京阪地域から大阪湾まで
船舶の通行が可能です。
淀川に舟運を復活させることで、大畳の貨物輸送や災害時における代替交通手段として、
また、観光資源として京阪地域の活性化に寄与するため、積極的に国や沿川6市1町との連携、企業、
経済団体に対し舟運の活用を働きかけていきます。
 また、淀川舟運復活と共に、枚方に集客できる拠点が必要です。
USJ開業を機に多くの人が大阪に訪れるようになりましたが、これらの人が京都への通過都市でなく、
かつて宿場町として栄えた枚方の賑わいを取り戻し立ち寄れる町にするために、多くの集客施設と
共に宿泊施設(ホテル)が必要です。
淀川舟運と共に宿場町の復活がカギです。

●生命と財産を守り、安全で安心して暮らせる枚方の街に

@枚方警察署の二分署の実現
 府内の警察署では、署員1人当たり平均450人の府民を担当しているのに対し、枚方警察署(枚方市・
交野市)は約25倍にのぼり府内64警察署の中で一番過密です。
しかも110番受理件数、犯罪件数(刑法犯認知件数)、交通事故件数は全警察署のうち全てワースト1です。
枚方市民が安全に暮らせるため、平成8年2月、平成12年9月の定例議会でも枚方警察署の二分署化の
必要性を訴えてきました。
皆様のご協力を得て昨年3月には22,924人の署名活動も展開、その結果、府警本部は管轄区域の
2試案を枚方市と交野市に提示しました。
両市の区域割協議が終えれば、次は用地決定の手続きに持ち込むことができます。
枚方市民の安全を確保し安心した日常生活を保障するため、財源を確保し一日も早い二分暑の実現を
目指します。

A救急救命医療機関の設置
 枚方市民の救急救命機関は守口市の関西医大救急救命センターが指定されていますが、交通事情から
高槻市の三島救急救命センターに搬送されているのが現実です。
一刻を争う緊急事態に対応するためには枚方市内に救急救命体制が必要です。
そうしたなかで関西医大病院の枚方移転に伴い、同病院の救急救命医療機関の設置を支援するため
厚生労働省や大阪府に働きかけを行っています。
このことは、隣接する寝屋川市や交野市にとっても大切なことです。

●枚方の交通渋滞を解消し、車両も歩行者にも快適な街に

 枚方名物は交通渋滞と言われるほどひどい状態です。
京阪神間の主要幹線道路は、名神高速道路、171号、国道1号、府道京都守□線(旧1号線)だけで、
名神が通行止や渋停滞すると枚方市内の国道1号、旧1号線に迂回してくることが原因です。
そのため第2京阪道路、第2名神高速道路が枚方市内に関係のない車両流入を回避する役目を
果たすので建設促進を図ります。
当然、沿道の環境には配慮しなけれはなりません。
 また、大阪府内交通渋滞多発地点ワースト10のうち,枚方市の池之宮北、中振、かささぎ橋、天の川の
4個所が入っています。
これらの府道などの幹線道路で渋滞する交差点には右左折レーン確保、高架化に改良し、歩車柵設置や
歩道確保し車両だけでなく歩行者にも安全な道路づくりが行います。



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