101 2002年7月号
大阪10区の衆院候補選び

常態化する保守分裂で大苦戦 自民執行部の指導力不足原因

 平成12年5月の公選法改正後、衆参統一補欠選挙は3回実施されましたが、いずれも2選挙区ずつで
現職議員の死去によるものでしたが、今回(10月27日投開票)は5選挙区が実施されます。
衆院大阪10区(辻元清美議員の秘書給与不正受給問題で辞職)。
衆院山形4区(加藤元幹事長の政治資金流用問題で辞職)。
衆院神奈川8区(中田議員の横浜市長選出馬)。
参院千葉選挙区(井上前参院議長の秘書裏金事件で辞職)。
参院鳥取選挙区(坂野・元自治相の死去)と3選挙区が政治と金の疑惑が発覚した議員辞職です。
野党は統一候補を擁立し全選挙区の当選を期しています。
不祥事の続く自民党にとっては全敗する可能性もあります。
 そうしたことから5月23日、連立3党幹事長会で衆院大阪10区(高槻市・島本町)は、公明党から候補者を
擁立し自民、保守党が推薦する選挙協力が合意されました。
ところが、6月20日、自民系の高槻市議が同10区から立候補することを声明。
記者会見には自民党高槻支部長(府議)、自民党市議らが立ち会い支援を明言しており実質的な自民候補と
いえます。
同10区は自民、民主、公明、共産、社民等の各党基礎票は3万票前後で拮抗しており、どの政党も単独の
当選は難しく、選挙協力がなければ当選は難しい状況です。
我が陣営としては自民党の推薦だけで地元の自民組織が支持がなければ選挙に臨めるものでは
ありません。
冬柴鉄三・幹事長は「保守分裂では大変な苦戦を強いられこれ以上、支持者の方に苦労をかけられない」と
候補者擁立を断念しました。
 先の東大阪市長選挙でも、塩川財務相が別の自民市議を擁立したことから保守分裂の大激戦と
なりました。
結果は共産現職市長を押さえ自民、民主、公明等の推薦した松見氏が当選したものの非常な苦戦を
余儀なくされました。
また、4月の京都府知事選や衆院和歌山2区補選でも自民系候補者の分裂が原因でいずれも苦しい
選挙戦ばかりです。
選挙の指揮をとる山崎拓自民党幹事長のリーダーシッブが問われます。
本当に自民党は連立政権を維持するためのパートナーと思っているのか甚だ疑問です。


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