105 2002年11月号
府議会総務常任委質疑から

関西空港の利用料がなぜ高い 上場を目指すなら情報公開を

 10月15日の総務常任委員会で、企画調整部が所管する関西国際空港株式会社の運営について
一時間にわたり質問をしました。
官庁からの出向職員が全職員の6割を占める関空会社はお役所体質そのものです。
一読されればよく分かります。

上下分離案撤回の影響

【鈴木】政府の交通政策審議会航空整備部会で上下分離方式が撤回されたが、事実はどうなのか。
府は断念するのか。関空会社の経営形態の影響をどうするのか。
【企画調整部長】上下分離方式は適切と指示してきた。
政府は年末までに3空港の民営化方策を示すのでそのなかで意見を申したい。
【鈴木】関空と成田の今年以降のエアライン新規乗り入れ数を示せ。
【空港推進課長】関空は、2社週6便。成田は10社週8便だ。
【鈴木】なぜ成田が多いのか。その対策は
【空港推進課長】首都圏の航空需要が強く成田の暫定滑走路の供用開始で拡大した。
【鈴木】着陸料以外の停留料、ポーデングブリッジ、手荷物取り扱い、給油取り扱い、チェックイン
カウンターの使用料など関空の利用料が相当高いと考える。

アジアの競合空港を調査すべき

【鈴木】アジアで競合する上海空港、ソウル・仁川空港の空港利用料を示せ。
【空港推進課長】着陸料と停留料以外は分からない。
【鈴木】なぜ分からないのか。
【空港推進課長】関空会社を通じ調べたが個々のデーターが違い適切な比較が出来なかった。
【鈴木】同業他社のデーターを収集するのは企業経営の基本だ。
本当に他国の空港と競争しているのか疑問である。すぐに調査をせよ。
【空港推進課長】情報を十分把握し切れていなかった。
今後の経営戦略のため最大限の努力を関空会社はすべきだと考える
【鈴木】関空会社経営陣の経営感覚は疑問に思う。
競合する上海、仁川と対抗するため単価も同水準にすべきだ。
できなければ両空港にないサービス、特色を出すぺきと指摘する。
【鈴木】空港ターミナルビルやエアロプラザのテナント料を示せ。
【空港推進課長】企業間のプライバシーに当たり賃料等の公表はできない。
【鈴木】政府や府の出資会社でありながら賃料の公表しないのは理解出来ない。
非公開の体質は、お役人商法そのもの。将来の株式公開とは言葉だけでないか。閉鎖的な経営体質が
問題である。
【空港推進課長】会社から報告出来ないという報告を受けている。

外交官ブースを設置せよ

【鈴木】関空には外交官プースがないなど外国VIPの接客配慮が足らないのではないか。
温かいもてなしをすることで20カ国の在阪領事館が関空のPRを発信してもらえるではないか。
【空港推進課長】在阪領事館から様々な要請を受けており関空会社に努力してもらう。

関空会社に民間人を多用せよ

【鈴木】関空会社管理部門職員367人中の官庁からの出向者を示せ。
【空港推進課長】官庁からの出向者は213人だ。(省庁、自治体、民間出身別は下表)
【空港推進課長】設立以来18年が経ち、プロパー職員も成長しているので職員の意識改革、民間登用を
強く申し入れる。
【鈴木】役員の退職金、社宅費を示せ。
【空港推進課長】公表は差し控えたい。
【鈴木】関空会社が上場企業を目指すと言いながら情報公開しない態度は問題だ。
府の貴重な税金を使う以上出資者としてもっと意見を言ってもらいたい。
【鈴木】関空会社が、6社の子会社を設立しているが実態を示せ。
【空港推進課長】特定分野の業務について次の6社だ。
関西国際空港熱供給梶A、関西国際空港情報通信ネットワーク梶A関西国際空港給油梶A関西国際空港
エンジニア梶A関西国際空港セキュリティ梶A糾ヨ丙エアポートエージェンシー。
【鈴木】そのうち3社の代表取締役は関空社長だ。
二重構造的な企業のあり方を再検討すぺきである。
また、関空会社の代表取締役選定決議や定款変更、事業計画も大臣の認可が必要とされる体質は
民営化に程遠いものに思える。

空港島全体を環境教材に

【鈴木】当初の「環境に優しい空港」のコンセプトを実現するため空港島全体を環境教育教材として、
小中学生の学びの場とすべきと提案する。
そうすれば航空利用客だけでなく多くの集客が見込め将来の航空需要に繋がると考える。



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