116 2003年12月号
大阪府の国際交流のあり方

市町村や民間が国際交流支援 友好交流から経済交流に転換

 さきほど、大阪府と1980年から友好交流都市の上海市を府議会友好代表団として訪問しました。
締結した当時は、相互の理解を深め友好協力関係を目的としながら府からの協力が主体であったようです。
しかし、中国のGDPは1兆2287億ドルとフランスとほぼ同じ、そのうち上海市は648億ドル(世界銀行2001年
調査)、上海市の経済成長率は、毎年10%以上で、外国投資するまでに発展しています。
訪問し感じたことは、友好交流の初期の目的から大きく変わってきており見直すべきでないかと考えます。
府の国際友好都市は、 他に東ジャワ州(締結1984年)、ヴァル・ド・ワーズ県(同1987年)、
クィーンズランド州(同1988年)、沿岸地方(同1992年)、カリフォルニア州(同1994年)、
ロンバルディア州(同2002年)、ドバイ市(同2002年)の7カ国です。
これまで、開発途上国との地域開発、人材開発を中心に事業展開をしてきましたが、事業メニュー数も
1995年の44件から2003年は16件、事業費も約7400万円から1300万円に減少。
その反面、府内市町村の姉妹都市提携が3倍に増加、市町村の国際交流協会も31市町に設置され、
NPO等の民間国際交流団体も1980年の38団体から150団体に増加、民間の国際交流が盛んになって
きています。
その意味から、国際交流の道筋をつくってきた府の役割も、関わりも転換期であり、民間や市町村の
国際交流支援に回るべきでしょう。
発展途上国の開発を支援する国際協力や単なる人の交流、文化交流型から、府の財政状況や
中小企業の町・大阪の再生、復権を考えると相互の利益のある経済交流・ビジネスパートナー制に
重点を置くべきです。
昨年締結したイタリアのロンバルディア州はファッションの盛んな中小企業集積の都市であり、
アラブ首長国連邦のドバイ市は中東一の経済発展都市であり、大阪の中小企業の利益に寄与するよう
ビジネスパートナー制の交流スタイルを定着させなければなりません。
引き続き、既存交流先の上海市、カリフォルニア州ともビジネスパートナー制に移行すべきと考えます。

驚異的な発展の上海浦東新区

 中国改革開放のシンボルと言われる上海浦東新区に、80数カ国が8000件以上の投資を行い総投資額は
436億ドル、世界トップ500社の多国籍企業の174社が進出しています。
1年ごとに風景が違うと言われるほど驚異的な発展の原動力になっています。
上海市全体では、人口1400万人に対し国内外の観光客が年間8500万人に上り、中国のみならずアジアの
国際観光・経済都市として変貌し続けており、日本にとって代わられる日も遠くないかも知れません。
大阪も謙虚に学び、もう一度世界に挑戦する気迫が必要です。



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