太田房江大阪府知事が、2期目の当選を決め初めての向かえる3月議会。
待ったなしの大阪再生にむけ太田知事がどのような舵取りをするのか。
3月8日の大阪府議会本会議で、会派の代表質問に立ちました。
なかでも、財政状況に影響されず安定した文化芸術振興を行うことができるよう、条例を来年度中に
策定すべきだと強調。
企業メセナの意欲を向上させるため、企業の協賛を得て商品価格に含める形で文化振興の寄付金を
募る仕組みを導入するよう提案。
太田知事は、条例制定に向け16年度中に結論を出す」と答弁。
寄付金を募るアイデアについても、「興味深い手法」と研究を進める考えを示しめしました。
そのほかの質疑は次の通りです。
<1.知事の姿勢>
【質問】
2期目を迎えた知事の決意。府議会、府幹部職員、マスコミとの関係をどうするのか。
特別職秘書の立場、権限は。
【知事】
先頭に立つべき私の使命の大きさを感じている。
現場の声を聞き、そうした取組みに立ち上がっている生活者の声・女性の声をより一層府政に反映させて
いきたい。
府議や府職員、マスコミとは、様々な機会を通じてより一層のコミュニケーションを図る。
知事であり政治家である私を理解し、サポートする特別秘書を考えている。
<2.行財政改革>
【質問】
建物管理の合理化やIT化による業務削減を進めよ。
【総務部長】
公の施設における指定管理者制度導入やESCO事業を拡大する。
<3.銀行税条例>
【質問】
銀行側と和解した0.9%より高い0.92%で、銀行側に対抗できるのか、
【知事】
この税率は、弁護団と協議、十分に合理的なものである。
<4.女性政策>
【質問】
女性政策の基本姿勢。女性の職域拡大。女性の健康支援を進めよ。
【知事】
女性の力を活かし、全国をリードする男女共同参画社会づくりを積極的に進める。
職員が十分に力を発揮できる元気な職場をつくる。
女性特有の疾患や、男女の性差に基づく健康課題を研究する。
<5.観光振興>
【質問】
観光振興に全庁をあげた取り組み体制を整備すべき。
中国の観光客誘致が急務、そのため、入国ビザ発給の規制緩和を政府に強く申し入れよ。
大阪市との連携や、府内の観光資源を発掘、活用せよ。
【知事】
16年度から、観光集客を担う部門を企画室に配置する。
上海をターゲットに、「ビジット・オオサカ・キャンペーン」を展開する。
中国からの観光ビザ規制緩和を国に対し強く要望する。
19年度までに訪大阪の外国人旅行者数を200万人に倍増させる。
<6.関西国際空港>
【質問】
利用者にとって使い勝手の良い空港、アジアの競争力ある空港を目指せ。
【企画調整部長】
オール関西で空港のにぎわいの創出に努める。
<7.文化の振興>
【質問】
文化芸術の振興条例を早急に策定せよ。
企業のメセナ意欲を向上させる新たな仕掛けを提案。文化施設の誘致も必要。
【知事】
条例制定は、平成16年度中に結論を出す。
提案の新しいしくみづくりは、興味深い手法なので、可能性を研究する。
<8.教育7日制>
【質問】
教育7日制で、どのような学力向上の施策を進めるのか。
「すこやかネット」の補助制度期限後の支援策は。
早期に小・中学校でも学校協議会の全校設置を。
【教育長】
小・中学校で、「わがまちの誇れる学校づくり推進事業」や、公開講座「なにわっ子みらい適塾」等を高校で
開催する。
すこやかネットは、来年度から地域の活動実態に応じ新補助制度を実施する。
学校協議会は、昨年7月で約40%の設置、速やかに設置するよう市町村教委に働きかける。
<9.学校運営の改善>
【質問】
学校の安全確保、35人学級実現に向けた財源確保や今後の取り組みを示せ。
【教育長】
子どもの安全確保取組事例集(仮称)」を年末までに作成・配布する。
【知事】
国措置の教員定数を確保するよう努力し、府財源の縮減に努める。
単に制度の改善に終わらせず、着実に成果をあげる。
<10.子育て支援>
【質問】
市町村の広域小児救急医療センターに、財政面や小児科専門医の確保に支援すべき。
公立保育所民営化や私立幼稚園の早朝預かり保育に府が補助せよ。
【健康福祉部長】
市町村の小児初期救急医療体制に、整備・運営費に補助制度を創設する。
広域的な小児科医確保調整を行う。
【生活文化部長】
ニーズに応えきれてない公立保育所もあり、民営化に向けた整備助成など支援する。
私立幼稚園で、早朝の預かり保育などの取り組みを支援する。
<11.児童虐待>
【質問】
虐待防止センター設置や、地域で虐待情報を共有できるシステムをつくれ。
【知事】
府と市町村が緊密に連携し、「虐待防止センター」のようなネットワークを図る。
<12.健康福祉アクションプログラム>
【質問】
健康福祉アクションプログラムの自立支援型施策で、府民の健康福祉が図れるのか。
市町村と合意形成が図れたのか。
【知事】
医療制度のセーフティネットとして、各種貸付制度や無料低額診療事業を行う。
市町村と案を取りまとめ、福祉医療制度の補助率変更も理解してもらった。
<13.ガン対策>
【質問】
府民のガン検診受診率の向上や総合的なガン対策を推進せよ。
マンモグラフィやヘリカルCT、PET装置など、発見率を高める新技術医療機器を積極的に導入せよ。
【健康福祉部長】
乳ガンや肺ガンの発見率が高いマンモグラフィ、ヘリカルCT検診車を購入。
腫瘍の鑑別や早期発見などガンの診断に有用なPET装置は、成人病センター設置に向け平成16年度中に
検討する。
<14.鳥インフルエンザ>
【質問】
鳥インフルエンザ発生による不安解消の取組みは。
万全の防疫対策は。
移動禁止区域内の養鶏農家への支援策は。
【環境農林水産部長】
医療体制の確保や二次感染防止対策を早急に策定する。
近隣府県間での情報伝達ガイドラインを検討する。
国に対し発生の未然防止や養鶏農家への支援措置等を緊急要望した。
<15.安全なまちづくり>
【質問】
地域の防犯活動に、積極的な支援をせよ。
「空き交番」の解消を早急に図るべき。
市町村や地域と連携・協力し、「スーパー警察官立ち寄り所」の整備を。
早急に枚方警察署二分署化を実現せよ。
【府警本部長】
商店街の防犯活動や住民パトロールなど効果があり、積極的に支援する。
空き交番は、パトカーや隣接交番勤務員の立ち寄りや交番相談員を充実する。
警察官立寄所は、府内に約320箇所あり、地域住民から要望があれば積極的に対応する。
枚方市と交野市から提示された新設警察署候補地十数か所に絞り込んだ。
16年度から候補地の確定に向け、検討していく。
<16.地球温暖化とヒートアイランド対策>
【質問】
温暖化現象を対象にした条例を。
【環境農林水産部長】
ヒートアイランド現象が顕著な大阪市を初め、府民、事業者、行政などが連携し強力に推進していく。
条例化も視野に入れた制度化を協議する。
<17.中小企業の再生>
【質問】
中小企業の過去ではなく、未来を見て評価する融資制度を作るべき。
【知事】
技術力や事業計画の評価に重点を置いた、斬新な大阪独自の融資制度を本年秋までに検討を終え、
早期に実行する。
<18.雇用の促進>
【質問】
12万人緊急雇用創出プランの実績、今後の方策は。
ジョブカフェを誘致せよ。
【商工労働部長】
14、15年度は、約6万5千人の創出・確保する見込み。
16年度は、中小企業の新事業展開支援で約3万人、若年者の就職支援で約2万人、緊急地域雇用創出
特別基金事業の推進で約1万人。
経済産業省のジョブカフェ・若年産業人材育成事業が採択されるよう要望している。
<19.安威川ダム建設>
【質問】
利水事業の必要性の結論を早くだせ。
治水事業も、第三者機関にダムの規模などを検証し、用地買収費、本体工事費等の削減が可能になる
努力をすべきである。
【知事】
利水は、早急に検討・精査に着手し、方向性を明らかにする。
今後ダム事業は、適切な規模など計画の再検証や新技術導入や施工方法の合理化など検討を行い、
事業費の削減に努める。
<20.医薬基盤技術研究所の建設用地>
【質問】
府がなぜ用地買収するのか。
買収を、今まで議会になぜ説明をしなかったか。
【建築都市部長】
彩都に必要な施設である。
国や地権者との交渉に時間がかかり報告が遅くなったことは遺憾で申し訳ない。