120 2004年4月号
大阪の文化振興に1円の寄付金 府民参加の新たな仕掛けが必要
 大阪城の天守閣復興は、昭和3年、当時の大阪市長が市民から寄付で賄おうと提案したところ、
申し込みが殺到し、わずか半年で目標額の150万円に達しました。
当時の150万円は、現在のおよそ600億から700億円に相当します。
大阪市中央公会堂も、大正7年に北浜の株仲買人だった岩本栄之助氏の私財100万円の寄付により完成、
隣接の中之島図書館は、明治37年に住友家の当主、住友吉左衛門氏の寄付により誕生しました。
多くの著名な施設が府民の寄付をきっかけに出来上がりました。
現在では、長引く不況で、一企業や一人の人が寄付することは難しいと考えます。
 そこで、大阪府民には、文化を生み、育てる気風が昔から根付いていることから、広く薄く寄付を募ることが
できる方策が必要ではないでしょうか。
 大阪の文化振興のため、新たな仕掛けを提案します。
 寄附金付き年賀ハガキのように、サントリー、アサヒなどのビールや飲み物、グリコのお菓子、日清の
カップラーメンなど大阪企業の商品に、1個当たり50銭、または、1円の寄附金を募ることが出来るはずです。
 平成13年度に大阪府内で販売されたビールは、約42万キロリットル。
1本350ミリリットルで換算すると、約12億本になり、1本当たり1円の寄附が得られれば、約12億円に
なります。
大阪企業の協賛を得て、官民一体のキャンペーンを導入し、その商品を推奨すれば、協賛企業も増収が
見込まれます。
その寄付金で、大阪にある世界遺産の保存活用や観光資源の発掘、学校におけるコンサート等の
文化事業支援、伝統芸能の保存、若手アーティストの育成など文化振興にあてます。
 先の3月府議会代表質問でも提案、太田知事からは、「文化による新たな府民運動として興味深い手法と
考えられるので、今後、府民や企業の共感が得られる対象事業や方法など、実現可能性について
研究する」と前向きな答弁がありました。
 大阪再生と文化振興のため実現に向け努力して参ります。

書籍のご紹介

 本誌読者の方から、今月は4冊の新刊図書が届きました。
いずれも良書です。ぜひお読み下さい。

「入門医療経済学」
著者・立命館大学教授・柿原浩明さん 日本評論社2940円
 医師は経済学に疎く、経済学者は医療の理解が乏しいことから、医学博士であり、経済学修士である
著者が、医療と経済学の橋渡しとも言える医療経済学を確立。医療保障などは部外者でも大変参考に
なります。

「店はこうして生まれ変わった!」
著者・笹幸恵さん ダイヤモンド社1785円
 全国展開中のコンタクトレンズ販売店ハートアップが、不況のなかでも業績を伸ばす原動力は、
社長直轄の社内に設置した20代を中心にしたプロジェクト「店舗改善委員会」。
店舗再生の秘策を描いた本書は、販売に携わる人や経営者には必読の書です。

「プロが教えるキッチン設計のコツ」
住まいの研究室主宰・井上まるみさん著 学芸出版社2415円
 マイホームを建てるとき、キッチンは重要視されません。
しかし、家事をする主婦にとっては大切な城。
栄養士出身の女性建築家が、キッチン設計から述べる食生活論は説得力があります。

「夢が踊りだす」
著者・劇団夢サーカス主宰・浮島智子さん 第3文明社1000円
 香港、ニューヨークでプリマバレリーナーとして活躍してきた著者が、阪神淡路大震災で被災した
子供たちのために帰国。
劇団を結成し、ミュージカルを通じて心の復興に取り組んできた半生記です。


セミナーご出席の御礼

 山下栄一参議院議員と浮島智子さんを迎えて3月19日に行いました「枚方の未来を語る夕べ」
(ひらかた仙亭)には、夕刻のご多忙な時間にもかかわらず多数のご出席を賜り有難うございました。
 予定していました白浜一良参院議員と福島豊衆院議員は、国会委員会審議で出席できず大変申し訳
ありませんでした。


小規模企業者設備貸与制度受付け

 大阪府内で、20人以下(商業、サービス業は5人以下)の企業を対象に設備貸与制度(割賦かリース)の
申込みが4月1日より始まりました。
100万〜6000万。割賦損料1.5%。3年〜7年返済。
2000万円未満は保証人が代表者のみでOKです。
 詳細は、(財)大阪産業振興機構・設備資金課TEL06-6947-4345(マイドーム大阪)
ホームページhttp://www.mydome.jp



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