133 2005年5月号
枚方市民病院の課題

関西医大病院で大きな影響 患者減の歯止めと経営再建

 京阪電鉄枚方市駅前(旧クラボウ跡地)に病床数704床、診療科目は数十を数える関西医科大学
付属病院が平成18年初めに開院される予定です。
枚方市民にとっては最新医療設備を備えた総合病院が出来ることは歓迎すべきことです。
しかし、直線距離で約1.2qにある枚方市民病院が大きな影響を受けることは必至です。
同病院は、平成12年に病院長の医療ミスや看護記録改ざん、新薬採用汚職事件など不祥事が発覚、
市民の信用失墜で入院、外来患者が激減、経営状況も悪化し、平成15年度末の累積赤字は
約27億円にのぼっています。〈下表参照〉
また、施設の老朽化で、巨額の資金調達が必要など大きな課題を抱えています。
 生き残りのため平成15年3月に策定された枚方市民病院基本構想は、新しい場所で300床程度の
新病院建設をPFI方式でめざしています。
 しかし、将来構想に目を向ける前に現病院の減少する患者の歯止めと経営責任を明確にしなければ
なりません。
"競合"する関西医大病院開院を目前にし、再建の危機意識が少ないと感じます。
 枚方市民病院から南へ約700mに、施設の老朽化で建て替え計画がある大阪府立精神医療センター
(旧中宮病院)の敷地面積は96.773u、建て替えても不用地がでることから、市民病院再生のため私は
4年前に枚方市に府との共同計画を提案しましたが、進展がありませんでした。
 一方で、近くにある総合リハビリ医療の評価の高い星ヶ丘厚生年金病院(604床)も民営化の動きなかで
新たな道を模索しており、市民病院の取り巻く医療環境はますます厳しくなってきており、早急な決断と
実行が求められます。


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