138 2005年10月号
アスベスト被害対策

府有施設は空気環境調査が必要 専門医療充実と相談窓口設置を

 アスベストが原因と見られる健康被害が連日マスコミで紹介され、健康不安が広がっています。
そのため、大阪府が所有、管理している全施設2226箇所を対象に、調査を行いました。(9月末現在)
調査結果によると、アスベスト含有の可能性がある吹付け材のある施設は442施設。
そのうち、応急措置が必要な施設は23施設。
アスベスト含有の可能性がある破損した成型品のある施設数は、467施設にのぼります。
これらの調査は、設計図書や現地目視による調査であり、成分分析、空気環境調査を行っておらず確実な
データーとは言えません。
早急に成分分析、空気環境調査を行うよう府に求めています。
同調査に基づき改良工事を進めることや多額な工事費確保が必要です。
地方自治体だけでは、財源確保が困難であり民間施設も含め政府に支援策を求めなければなりません。
 アスベスト被害よる健康障害は、@肺ガン(肺の細胞に刺激してガン化)、Aじん肺(肺の組織が繊維の
ように堅くなる換気が出来なくなる病気)、B中皮腫(胸膜、心膜、腹膜にできる腫瘍、ガンの一種)と
言われています。
 府は、アスベスト被害に不安がある場合に、府は「かかりつけ医」に行くように広報していますが、
胸部レントゲン検診で肺ガンは発見できますが、中皮腫やじん肺の発見は専門医療機関でなければ
簡単に見つかるものではありません。
 府内の専門医療機関は、@国立病院機構刀根山病院(豊中市)、A国立病院機構近畿中央胸部疾患
センター(堺市)、B労働者健康福祉機構大阪労災病院(同)、大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター
(羽曳野市)の4カ所にすぎません。
 この地域以外の人の利用は不便であり、専門医療機関の充実と共に、呼吸器科や呼吸器外科のある
病院の所在案内をすべきです。
また、地域で安心して検診が受けられるよう「かかりつけ医」の研修や保健所、市町村での相談窓口の
設置が急務です。
これらの対策を9月議会で強く追求していきます。

アスベストとは、蛇紋石や角閃石の鉱物を繊維状にしたもので、直径0.02〜0.06ミクロンで、髪の毛の
5000分の1という細かいもの。
発ガン性があり、飛び散ったアスベストを吸い込むことで人体の被害に影響があります。



Copyright(C)2005 Kazuo Suzuki. All Rights Reserved.