145 2006年5月号
少子化へ社会全体で支援

子ども25年連続減少、人口比13.7% 国、地方、企業、地域、家庭の総合力で

 総務省が発表した4月1日現在の子供の推計人口は1747万人で25年連続減少、総人口に占める割合も
32年連続低下し過去最低の13.7%と急速な少子化が進行しています。
 原因のひとつは合計特殊出生率の低下です。第1次ベビーブームの4.32(昭和22〜24年)をピークに、
第2次ベビーブームでは2.14(昭和46〜49年)、平成16年には過去最低の1.29まで低下。主要先進国でも
出生率は低下傾向ですが、アメリカ2.04、フランス1.89、イギリス1.71、スウェーデン1.71、ドイツ1.31と
比較しても最も低い水準です。都道府県別では、大阪府が1.20、最低は東京都の1.01、最高は沖縄県の
1.72。少子化対策の政策実現には国による合計特殊出生率の目標設定が重要と考えます。
また、晩婚化、未婚化も深刻です。昭和45年の生涯未婚率(男性)1.70%が、平成12年には12.57%と
急速に上がっています。また、いじめや不登校、非行や最近の子ども連れ去り事件など子育てへの不安、
子育ての経済的な負担、仕事との両立など、結婚、出産をためらわせる要因にもなっています。
 国は、少子化対策として平成6年に「エンゼルプラン」、平成11年に「新エンゼルプラン」、平成17年に
「子ども・子育て応援プラン」を策定してきましたが、目玉施策の待機児童ゼロ作戦など十分な成果を
上げられず、若年層の失業率やフリーター、ニートの増加で社会的、経済的に家庭を築くことが困難な
社会変化に追いつけなかったといえます。
 府でも平成17年に次世代育成支援行動計画(こども・未来プラン)を策定しましたが、国の規定に基づき
策定したもので、ユースチャレンジ21(平成13年)、子ども総合プラン(平成15年)の改訂版にすぎず新たな
見直しが必要と考えます。
 少子化によって、生産人口が減少し経済・産業活動の低下、社会保障給付費の増加などマイナスの
影響を与えることから、少子化対策は、国・地方自治体の積極的な支援だけでなく企業・地域・家庭の
社会全体で、経済の支援、地域の支援、労働の支援するプランが必要です。
たとえば、男性の家事・育児時間はアメリカ3時間26分、スウェーデン3時間21分、ドイツ3時間、イギリス
2時間46分、フランス2時間30分に対し、日本は48分と最低基準で、女性に負担がかかりすぎている
現状から男性の長時間労働是正対策のため企業との協働を確立や専業主婦の子供にも保育所に
預けられるよう入所条件の緩和など様々な具体的な施策を国や大阪府に訴えていきます。


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