157 2007年7月号
空飛ぶ救命救急センター

府がドクターヘリを来年1月導入 医師搭乗で救命率を大幅にアップ

 ひとりでも多くの命を救うため、ドクターヘリが注目されています。
交通事故後15分以内に初期治療を行えば、多くの人命を救うことができ、後遺症も大幅に軽減されることが実証されています。この最初の15分間が"生死の分かれ目"と言われています。
 ドクターヘリは、離島やへき地だけでなく、枚方市のような都市部でも、救急車では交通渋滞に影響されますが、ヘリコプターであれば、半径50キロ圏内なら15分以内に現場へ到着することができます。
 医療機器と医薬品を装備・搭載したヘリコプターに、救急専門の医師や看護師を乗せ、救急現場に到着した段階から、救命救急センターに搬送するまでの間、患者へ適切な治療を施すことができるドクターヘリの導入が急がれます。
しかし、日本では、現在、救命救急センターなど全国10道県11カ所の中核病院に配備されているにすぎません。
 ドクターヘリ先進国のドイツでは、現在、78機によるドクターヘリ救急網を整備し、国内のどこへでも15分以内で駆け付けられる体制を確立しています。
アウトバーン(高速自動車道)などにおける交通事故による死亡者数を20年間で3分の1にまで激減させた実績があります。
 公明党は、ドイツレベルの「15分体制」を構築するため、平成23年を目途に47都道府県50カ所への配置を提案しています。私達、府議会公明会派は、大阪府民の命を守るため、一日も早い導入を府議会本会議などで強く訴えてきた結果、大阪府独自で、吹田市にある大阪大学医学部付属病院を基地病院として、平成20年1月に、導入することを決定させました。
 19年度当初予算額は9600万円。ドクターヘリは所有せず、負担軽減のため運航会社と委託契約し、年内に、救急車とドクターヘリの合流地点である離着陸場所(約200カ所)を確保し、1月1日より運航開始できる予定です。
 公明党案を柱にした与党提案のドクターヘリ特別措置法が6月19日の衆院本会議で成立したことで全国配備され、日常的に活用されるようになれば、災害発生時でも、効果的に救急医療を提供することができます。
 多額な運航費は、地方自治体の負担となっているため、これからも政府に対して運航費の一部に健康保険適用や財源支援を求めていきます。


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