158 2007年8月号
2007参院選

年金、失言、事務所問題が逆風 与野党対立でなく真摯な論議を

 第21回参議院選挙は、自公政権にとっては逆風どころか「暴風雨」でした。
自民が37議席に対し民主は60議席を獲得。公明党が立候補した5選挙区のうち、大阪、東京は当選しましたが、愛知、埼玉、神奈川では民主が2議席確保し、公明が次点で落選。参院選挙区の落選は89年以来18年ぶりの出来事でした。しかし、過去の選挙から愛知8.7万票、埼玉8.4万票、神奈川3.1万票を上積みし、いずれも過去最高票を獲得しました。
 今回の敗因は、@年金の5000万件の記録漏れに端を発した社会保険庁の失態と政府の初動ミスが重なり、国民の皆さんに政府や与党への不信を与えました。
A選挙直前の住民税アップは、税源移譲で所得税が減税になっていても生活実感としては増税に映りました。定率減税廃止による負担増も大きく影響しました。
さらに、決定的になったのは、自民党閣僚の数々の不祥事です。
B佐田玄一郎行革担当相、松岡利勝前農相、赤城徳彦農相らの事務所費不正など「政治とカネ」問題。C柳沢伯夫厚生労働相の「産む機械」、久間章生防衛相の「原爆投下はしょうがない」などの閣僚の失言など自民党への批判の巻き添えをくい、公明も道連れになりました。
 選挙協力にも課題を残しました。
毎日新聞の出口調査によると、5選挙区を除く42選挙区で、公明支持層の66.2%が自民候補に投票したのに、自民支持層が比例代表で公明に投票したのは、5.5%。民主に投票したのは24.4%。自公協力は限定的であったといえます。
愛知選挙区の産経・共同通信の出口調査では、自民支持者が公明候補に投票したのは11.3%に対し、民主候補への投票は26.7%であることから、選挙協力のあり方を検討しなければなりません。
 しかし、今回の民主党の勝利は、政策の良さや政権交代への期待でなく、自民へ「お灸」をすえる行動でなかったのかと思えます。連立与党である公明党が受け皿になるだけの存在感が示されなかったことは反省すべきと考えます。
 民主党のなかでは、小沢一郎代表と旧社会党系と間では、テロ対策特別措置法、憲法改正、消費税増税問題で一枚岩でなく党内対立が起こる可能性があります。日本は今、重要な局面にさしかかっており、与野党の対立でなく、真摯な政策論議の国会運営が必要で、政治の混乱、停滞は許されません。

真心の支援に深く感謝
春の統一地方選挙に引き続き、連日の猛暑のなかでの第21回参議院選挙では、皆さまの絶大なるご支援によって、比例区7、選挙区2、合計9人の当選を勝ち取ることができました。心から厚く感謝と御礼を申し上げます。

『大阪選挙区結果』  
当 梅村 聡 1281502 民
当 白浜一良 836903 公
当 谷川秀善 732175 自
次 宮本岳志 585620 共
『比例区結果』   776万5324票



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