165 2008年3月号
出資法人、府施設の見直し

民営化・賃貸で中小企業振興策 重複施設を分担し行政効率化を

 橋下徹知事は就任以来、危機的な府の財政状態から脱却するために「収入の範囲内で予算を組む」と事務事業、出資法人、公の施設、人件費について、ゼロベースで見直し宣言をされています。「入りを計りて、出ずるを制す」との言葉通り、府のトップがその決意に立たれたことに大きな評価をしています。
 しかし、知事の「府は破産状態」というメッセージがメディアを通じ強烈に発信されるため、「府議会は今まで何をしてきたのか」という府民の声に弁明させていただきます。
13年前、私が府議に当選した平成7年当時の大阪府の出資法人数は92法人。重複した法人や役員の大半が府幹部職員OBで、完全な天下り先です。しかも複数の法人を渡り歩き、その都度、多額な役員退職金が支払われていました。
 枚方市議時代の経験から、これだけの多くの出資法人が必要なのかと、我が会派で出資法人の総点検を行いました。各議員が、議会や所管する部局で追求し、削減を求めた結果、これまでに46法人に統廃合し、常勤役員は77名、一般職員2374名削減。役員退職金撤廃などで約34億円を削減させました。半数の46法人を削減するに強い抵抗もあり約10年間を要したわけです。
 残る46出資法人をゼロベースで見直すことを知事自ら叫ばれたことは心強い限りです。
 中小企業保証協会や育英会など廃止できない法人もありますが、既に自立・民営化をめざしている法人は、(財)大阪府マリーナ協会、(福)大阪府障害者福祉事業団、大阪府職業能力開発協会、(株)大阪府食品流通センター、(株)大阪鶴見フラワーセンター、(財)大阪府公園協会、泉大津港湾都市(株)、(財)大阪府スポーツ教育振興財団。(社)大阪国際ビジネス振興協会は統合。(財)大阪府下水道技術センターは廃止を決めており、残り35法人の存続形態や補助額の改革に取り組んでいきます。
 27の府有施設の廃止や売却だけで財政再建できるのか疑問です。門真ドームや大型児童館ビックバンなど買い手があるとは思えません。@施設の必要性、A官民の役割分担、B官官の役割分担の視点で検討すべきです。
府民にとって必要な施設かどうか検討過程や議論を公開して結論を出すべきです。
自治体など官でなければ運営出来ない施設もあり、採算性だけで判断してはなりません。
そのうえで、民間で出来るものは民営化や民間に賃貸し、運営を委ねることです。
消費生活センターなど大阪府と大阪市の二重行政が話題となる同じような重複した施設は、府と市町村にも多々あります。
 たとえば、私の地元、枚方市内に大阪市立の高校が一つあり、大阪市営水道の取水場もあります。施設の所在する自治体との役割分担で効率化を目指す必要があります。
施設廃止や売却だけでは、一時的な削減に過ぎず、財政再建にはなりません。民営化や民間に賃貸することで、中小企業を振興させ、官は法人税や固定資産税で税収を上げる知恵が必要と考えます。


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