191 2010年3月号
大阪府小規模事業支援事業

中小零細企業者のための事業を

 厳しい経済状況のなか大阪の中小零細企業を支援するため大阪府が行っている「小規模事業支援事業」は、府内38の商工会議所や商工会の経営指導員が、小規模事業を営む方々に行う情報提供や経営課題の巡回相談・窓口相談に対し補助金を交付しています。
 昨年に橋下知事が、それまでの人件費補助から事業費補助に転換するよう求め、年度途中の8月から10%削減し事業費補助になりました。さらに平成22年度予算案では5%を削減されています。府が補助を削減するには、制度評価や検証のうえ行うべきです。
 22年度から制度変更の再構築プランが、府議会政調会に示されず、政調会直後の2月9日に、商工会議所、商工会に通知したことから議会側に不信を与えました。
 再構築プランでは、企業カルテ・サービス提案、成果報告などを求めており、中小零細企業には複雑な内容であること。各商工会議所がこれらの事業計画をたて3月上旬までに提出されたものに限り、府が評価を行い補助金執行するシステム変更です。
 余りにも性急で、既に各商工会議所では22年度予算を計上しており、現場の作業工程を全く無視した行為です。
事業メニュー、支援内容、評価の仕方など、商工会議所、商工会と十分に協議し実効あるものにすべきです。新年度を直前にした時期の制度変更は行うべきではありません。

◆ 政府の「経営力向上支援事業」と同趣旨 ◆
 府が、橋下知事の指示を受け、新規事業として税理士や中小企業診断士等の専門家を中小企業に派遣する「経営力向上支援事業」は、既に「小規模事業支援事業」で行っている事業であり、申請は府庁まで行かなければならず地理的、時間的な負担は中小零細企業の皆さんの立場を考えていない発想です。
 また、中小企業庁が新年度から全国で100カ所で「中小企業応援センター事業」行いますが、府の「経営力向上支援事業」と全く同趣旨の事業です。他府県では各県庁が受け皿になるのに、府は拒否したため大阪商工会議所が受け皿となり実施される予定で、ちぐはぐな対応と言わざるを得ません。

待望の第2京阪開通後の課題

大阪京都間の交通渋滞に効果 割高な均一区間料金制見直しを


学研IC橋上で工事進捗の説明を受ける出井・
森枚方市議、鈴木、石川ひろたか氏(左から)
 大阪と京都を結ぶ第2京阪道路(約28.3q)のうち未開通部分の枚方学研IC〜門真JCT間(16.9q)が完成し、3月20日午後3時に全面開通します。同時に京田辺松井IC、京田辺PAが新設されます。枚方市内を縦断する国道1号の慢性的な交通渋滞の発生は、幹線道路が大阪〜神戸間は20車線に比べ、大阪〜京都間は14車線と少ないためでした。
 今回の全線開通で新たに6車線の自動車専用部や2〜4車線の一般部が加わることで、1号線の大阪〜京都間が、混雑時約2〜3時間かかっていたものが約1時間に大幅短縮されます。
 これにより、枚方市や交野市内の幹線道路や生活道路などへの流入が減少し、交通環境の改善が期待できます。
交野市からの緊急搬送病院 2箇所から14箇所に増加
 全線開通で30分以内に到達可能な第三次救急医療機関は、交野市の場合、三島救命救急センター、開西医大枚方病院の2箇所から、新たに京都府内3箇所・大阪府内9箇所に増加します。救急や災害にも安心出来る道路です。
 しかし、この道路の利用料金は、均一区間料金制を導入しており、今回開通する枚方学研IC〜門真JCT間は、A区間450円、B区間450円とされ、すでに開通している枚方東ICから巨椋池IC間のC区間350円(距離制)を合わせると1250円と割高です。

 このような割高な区間料金制を見直すすべきと小誌でも度々紹介してきました。
 区間料金制を導入した理由を、国土交通省は地元の要望を受け、騒音・環境対策のため料金所を少なくしたと表明していますが、建設計画当時と比べETCも普及しており距離制導入は難しいことではありません。
 事務局長を務める第2京阪道路建設促進議員連盟として、昨年末に国交大臣、1月に西日本高速道路株式会社(NEXCO)に、開通直前で距離制導入が無理であれば割引料金の導入を強く要望。その結果、NEXCOは2月22日、割引料金を導入することを発表しました。
@大阪〜京都圏A・B・C区間利用は250円割引
A寝屋川北IC発着(京都方面行)は250円割引
B枚方東IC発着(京都方面行)は250円割引
C寝屋川北IC〜交野南IC間は200円
D第2京阪と阪神高速乗継ぎ利用で近畿自動車道が半額(250円)。
@Dは利便増進計画として平成30年3月31日迄実施、ABCは企画割引として23年3月31日迄実施されます。要望を受けての料金割引は評価しますが、利用者にとって、AB間は均一区間制、C区間は距離制と複雑な割引制度で大変にわかりにくい料金制です。
 側道が無料通行できるため、側道の利用が増えれば沿道地域の生活交通に影響を及ぼし、NEXCOの料金収入にも影響があり、第2京阪道路の目的でるバイパス機能が発揮できなくなり有料道路の意味をなしません。
 割引料金制も暫定的な措置であり、利用者にとって使い勝手のよい第2京阪道路にするため、引き続き対距離制の導入を目指して頑張っていきます。

第2京阪道路建設促進議員連盟
 大阪・京都間の国幹道路として建設整備が遅れていたことから、府議に当選させて頂いた平成7年、沿道の北河内7市の府議で構成する建設促進議員連盟の結成を提案。共産党を除く全議員の賛同を得て、平成8年8月8日に議連が設立されました。
 それまで各市から出されていた要望や意見を議連で集約し、府や地元市とも協議を重ね、毎年、国交省、同近畿整備局、西日本高速道路(NEXCO)に要望を行い、国には14回、NEXCO等には13回にのぼりました。
 17年の議連総会では、近畿整備局が、唐突に用地買収の遅れで19年開通の予定延期を表明したため総会は紛争。改めて議連が国交省に断固抗議した結果、国交省・NEXCO・府の3者協議会を立ち上げ、22年3月開通を確約するなど、第2京阪道路整備に大きな役割を果たしてきました。



Copyright(C)2010 Kazuo Suzuki. All Rights Reserved.