196 2010年8月号
第2京阪道路開通後の交通効果

北河内の大幅な渋滞緩和 沿道のまちづくりに期待

 国土交通省浪速国道事務所は、今年3月20日に開通した第2京阪道路開通3ヶ月後の交通状況を発表しました。
 第2京阪道路は、京都と大阪を結ぶ延長約28.3kmの道路で、北河内地域では、開通後、主要一般道全体のピーク時間帯の平均速度が、毎時24qから29qへ21%の向上。
北河内地域内の渋滞緩和で、自動車交通の時間損失は1ヵ月当たり延べ60万時間が減少し、14億円相当の節約効果が生まれました。
京都駅〜関西国際空港を結ぶリムジンバスは、最大遅れ時間が約3割も減少しました。
第2京阪道路の通行量(枚方東IC〜門真JCT)は、高速部で約3万3000台/日、側道部で約2万9000台/日。名神高速道路(吹田JCT〜大山崎JCT)は、約1万3000台/日減少、国道1号線も約9000台/日減少しています。
 開通を契機にして、国土交通省、大阪府、沿道の枚方市、交野市、寝屋川市、四条畷市、門真市で構成する第2京阪道路沿道まちづくり検討会が設置され、広域的なまちづくりが計画されていますが、沿道地域における土地利用需要は飛躍的に高まるため、放置することによる無秩序な開発が懸念されます。
 沿道各市でも市民や民間活力を生かした具体的な街づくりや地域振興に役立てる政策を策定しなければなりません。
 同検討会が、北河内地域における民間企業の進出意向やニーズを平成21年10月に調査を行ったところ、将来的な興味も含め沿道への進出に対し興味のある企業は40社(製造業7社、運輸業9社、小売業24社)あり、そのうち現在進出希望は22社にのぼります。

【写真】慢性的な渋滞が無くなった国道1号
天の川交差点付近、後方が京都方面
(8月9日午前9時30分頃) 交差点
 その理由は、@幹線道路沿道、Aまとまった土地が確保できる、BICやJCTに近接、C大都市に近接があげられています。
 枚方市東部には、里山をはじめ農地が残された自然環境を守るため、市街化調整区域の無秩序な開発が出来ないよう津田サイエンスヒルズを中核にした地域は地区計画制度を活用し、企業ニーズを取り込んだ産学一体の都市形成ゾーンにすることを提案します。
 交野市では、通過都市にならないよう天の川伝説の星のまちを活用した観光や緑あふれる自然環境を生かしブドウなど農産物販売拠点の道の駅誘致等をめざすことが出来ます。
第2京阪開通3ヶ月の交通状況調査を紹介します
国土交通省浪速国道事務所
 国土交通省浪速国道事務所が、第2京阪道路開通3ヶ月の交通状況調査を紹介します。

国道1号ピーク時速度が33%向上

 開通後の大阪〜京都間の北河内地域のピーク時間帯平均速度は、毎時23.7qから28.7q(21%向上)。 国道1号25.8q→34.4q(33%)、国道307号19.6q→25.9q(32%)、交野久御山線19.4q→24.9q(28%)

月60万時間(14億円)の節約効果

 渋滞緩和で「※自動車交通の時間損失」が、1ヵ月当たり680万時間から620万時間に減少、延べ60万時間が節約でき、約14億円に相当の節約効果。
※【自動車交通の時間損失】渋滞などに関係なく、自由に走行できる時の速度を基準所要時間とし、渋滞や雪などによる交通の遅れで失われた損失時間を定量的に評価するもの

抜け道への流入が7割から4割減少

 枚方市津田山手1丁目付近540台/時間→350台/時間、約4割減少。交野市倉治7丁目付近480台/時間→160台/時間、約7割減少。抜け道の交通量が減少し、通園時など生活道路の安全性が向上。

路線バス、リムジンの定時性が向上

 府道枚方交野寝屋川線を通行する京阪寝屋川市駅→JR東寝屋川駅間で開通前に定刻遅れ53%から0%になり定時運行が可能に(交野市星田BS)
京都駅〜関西国際空港を結ぶリムジンバス(名神高速から第2京阪道路ルートに変更)の最大遅れ時間が54分→36分に約3割減少。

物流などの企業活動が効率化

 北大阪商工会議所のアンケート調査では、開通により、製品等の運搬・輸送時間が短縮するなど、企業活動が効率化したと約8割の企業が効果を実感。

住民の目線で交通安全点検を実施

 第2京阪道路の側道と交差する市道などの交通安全対策を住民の目から行うため、地元自治会やPTA、子供会が浪速国道事務所や大阪府、沿道市とともに点検を行い対策を実施されます。
日時 8月29日(日)14:00〜16:00 場所 枚方市津田北町3交差点〜津田山手



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