201 2011年1月号
府議会一般質問で提言

災害時に民間ヘリの活用を!

大阪府議会で、12月13日に一般質問を行いました。@電気自動車(EV)の普及促進、A大規模災害時への民間ヘリコプターの活用、B府水道事業の企業団移行、C大阪の改革にかける知事の決意の4項目ですが、民間ヘリ活用とEVの普及についてご紹介します。(府議会HPト録画中継で全篇ご覧になれます)

【鈴木】阪神淡路大震災のような大規模災害時は、陸上交通の遮断や港湾施設の損壊時に、時速200qで飛ぶヘリコプターの機動性は重要。平成20年6月に発生した岩手・宮城内陸地震では、初動期の被害情報収集や救援物資等の輸送に16機のヘリコプターが活躍し、人的被害が少なく、復旧が早く行われた。大阪府では、大阪市と供用の消防防災ヘリ2機、府警本部6機の8機があるが、八尾空港や舞洲には、報道を除く12社の事業用と自家用を合わせた民間ヘリ約60機が、常時駐機しており、災害時の物資輸送などに民間ヘリの協力を得て活用すべきではないか。
【危機管理監】民間ヘリを可能な限り活用することは災害対策上、大変有効。関西広域連合で、ネットワークが拡充できるよう積極的に取り組む。
【鈴木】大阪市内のビル屋上ヘリポートは、高層ビル火災の際など、人命救出に有効な施設だが、消防法に基づく訓練にヘリポート使用の義務付けがなく実施されていない。有効に活用できるよう働きかけるべきでないか。
【危機管理監】市町村等の関係機関に呼びかけていきたい。
【鈴木】屋上ヘリポートの法的な設置義務が建築基準法に定められているのか、又、施設の維持管理はどのように対応しているのか。
【住宅まちづくり部長】設置義務や技術的な基準がない。維持管理も法的な規定がない。高層ビル火災等に有効な施設であり、設置の促進や適正な維持管理の方策を検討する。

 ヘリポートの設置を指導すべきとの国の通達はあるにも係わらず、ヘリポート設置の法的な義務はなく中途半端な状態にあります。大阪市内を中心として高層建築物が次々と建設される中、ヘリポート設置の法整備を行うことや民間ヘリのネットワークを早急に構築すること提言しました。
《注》緊急離着陸場は(H)、大阪市内74箇所、府内15箇所。緊急救助用スペース(R)は、市内264箇所、府内55箇所。

電気自動車・EV普及

急速充電スタンド不備を追及

昨年9月の商工労働常任委員会で、大阪のものづくり産業を振興させるため電気自動車(EV)の普及を提言しましたが、その後、府の急速充電スタンド設置事業を実際に現地調査したところ、まったく機能していないことがわかり追及しました。
【鈴木】府商工労働部が設置した1基約600万円から1200万円の急速充電スタンド16箇所のうち6箇所の設置状況の実態をパワーポイントを使い、議場のスクリーンで明らかにしました。すべての設置場所には、急速充電スタンドの案内板や表示板が無く、どこにあるのかがわかりにくい。駐車場のケースでは、他車が駐車され使用が出来ない。事業所の場合は、敷地内にあるため第3者が利用できない事など、府が設置しただけで実態がまったく検証されていないではないか。
【商工労働部長】反省しなければならない。早速、状況を検証し対策する。
【知事】現場に足を運び、チェックしていただき感謝している。明らかに行政として設置すればよいと言うだけで、どのように使われたか、利用者の視点が全く欠けている。部局に猛省を促したい。
【鈴木】急速充電器は商工労働部、200ボルト充電器は環境農林水産部に分けて設置事業するのは理解できない。EV普及は、組織を一元化して効率的に取組みを推進すべきでは。
【知事】エコ普及の観点からは環境農林水産部、産業振興の観点から商工労働部が取り組んでいるが、戦略性から検討させて欲しい。
【鈴木】大阪のポテンシャルをいかし、EVを中小企業、ものづくり産業に特化した戦略をとるべきと考えるが。
【知事】EVメーカーとのマッチングや新たな会員組織・大阪EYISで、中小企業の活性化を進めたい。EV・PHVのまち推進マスタープランを策定し、体系的に取り組む。

【写真】本会議場で質問する鈴木。右端が橋
下知事
 急速充電スタンド設置箇所の根拠は、電力会社の調査で、府内を10区分し、均等に配置しただけであり、案内表示が無いのは、EVの宣伝する姿勢がないなど事業に対する戦略が欠けています。
環境農林水産部が、今年度から200ボルト充電器を府内1300箇所に設置する取組みを進めていますが、設置状況の検証が出来るのか。充電器設置は、自動車メーカー、ディーラー等が、普及のために行うものであり、府が直接インフラ整備を行う必要性がどこにあるのでしょうか。
 府のEV普及は、環境と産業という観点がありますが、私は産業振興の観点から取り組むべきと考えます。EVの普及が進めば、自ずとガソリン車から排出されるCO2、NOxが軽減されます。
EVは、構造が簡単でバッテリーとモーターで製作できることから、ガソリン車を改造し、EVにするコンバートも大阪のものづくりの範疇です。
今後、自動車メーカーだけでなく、家電メーカーでも参入しやすい産業です。自動車の電子部品は、ガソリン車で2から3割、ハイブリッド車で約5割、EVで約7割と言われ、部品メーカーがひしめく大阪の中小企業のまさに得意分野で、大阪産業振興の柱にしなければなりません。


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