1 1993年10月号
委員会の出来事

お役所は数字に弱い!? 公共料金はどのようにして決めるのですか

 枚方市議会では、4つの常任委員会と5つの特別委員会があります。
私は現在、建設常任委員会と交通問題特別委員会、決算特別委員会に所属しています。
最近の建設常任委員会(8月9日)の質疑をご紹介しましょう。
 昭和57年11月以来の水道料金の改定が議題。
今回の料金値上げは平成9年までの約3年間ですが、平成9年にまたおいしい水(高度浄水処理水)供給の
ため大幅な料金値上げが予想されるので10年先位の経営見通しが必要と追及。

鈴木議員 「なぜ水道事業の中長期経営計画が立てられないのか」
水道局長 「天候が大きく影響する。10年先の天候まで見通せない。したがって3〜5年周期で見直すのが
適切である」
局次長 「長期的視野に立つ気持ちはあるが、金利の変動、財政の見通しがはっきりしないので短い
算定期間になる」

水道局に長期の経営計画を持ち合わせないことがよくわかるでしょう。
これは水道事業が行政の独占企業、数年で経営首脳陣が入れ替わる役所人事が原因でしょう。
民間企業出身の私とは議論になりません。
長い不況のなかで生き残りをかける民間企業と比べ行政の意識改革は相当時間がかかりますが根負け
せずに頑張ります。

不可解な反対態度 本音はなに?
 もうひとつ裏話があります。
常任委員会は9人の議員で構成します。
意見が全員一致しないときは当然採決です。
5人以上であれば反対できます。
  したがって市役所の提案がどうしても納得できない場合、私らは他会派の議員にも反対を呼びかけます。
今回、そのようなこともなく、反対した会派がありました。不可解です。
 水道料金値上げに反対した唯一の党と宣伝するのでしょう。
市民から見れば反対してくれたと映るです。
私は善良な市民を欺きたくはありません。

役所も企業感覚をもつ時代
 京阪枚方市駅前に来年2月市営駐車場がオープンします。
その料金決定についての建設常任委員会(9月17日)の質問。

鈴木議員「営業収入と必要経費は?」 
担当者「……」
委員長「暫時休憩」

 売上予測、固定経費、借り入れ利息など計数が十分に準備されてなく、積算根拠の薄いことが浮かび
上がりました。
他の委員の指摘もあり市は最初の一時間400円を引っ込め300円の修正案を提出。
当然可決されました。
初めから準備しておけば状況は変わっていたでしょう。
後味の悪い結末でした。
お役所も事業経営ではシビアな企業感覚を持つべきです。


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