5 1994年2月号 |
大人の話をなぜ聴けない? 若者世代との認識のズレ どちらも不満な成人式典 |
1月15日は成人式。 枚方市では、今年も8,154人の新成人を迎え松下電器体育館で、45回目の「成人祭・はたちのつどい」が 行われました。 会場の入口周辺は、式典が始まっても着飾った新成人でいっぱいです。 そんななかで多くの女子が遠巻きに眺めている光景が目に入りました。 何かと見ると一際目立つそろいの紋付き袴姿の男5人組です。 女子の視線を浴びて満足そうです。 女子たちは◎番目の子が素敵等と品定め。 私達が振り袖姿の女子を遠巻きにした時代とは様変わりです。 最近は、女子より男子の方が目立ちたい傾向が強いようです。 さて式典は、枚方市歌。主催者の市長、教育委員長挨拶。来賓の議長、衆議院議員、府会議員 挨拶の後、来賓紹介。祝電紹介。市民憲章朗読で約1時間の長さです。 会場の大半は最後までザワザワと各各が雑談をして登壇者の話など聞いていません。 市長の挨拶中、最前列で振り袖姿の女子が立ち上がって写真を撮りあいしているのにはビックリしました。 その後、大塩市長と懇談したおりに 鈴木「あれだけ騒々しいとしゃべりにくかったでしょう」 市長「まだましな方でしたよ。以前はもっとひどく紙飛行機を飛ばす人もいましたよ」 他市もよく似たもので、隣接市のある市長はたまりかねて壇上から『こらお前!静かにしろ!』と怒鳴った こともあるそうです。 若い人たちに話を聞いてもらうことは難しいことです。 ところが、同じ新成人が市民憲章を朗読した時や、今年のように若いタレントの講演の時は靜かに なります。 同じ世代の話は聞けるが、古い世代の話はつまらないようです。 どちらも不満足それでも成人式の出席率は約70%。 どこか行政の運営と新成人達とのズレを感じます。 運営主体は市教育委員会……。 一筆啓上2(1993年11月号)の「ポロシャツ姿の教師」を思い出されたでしょう。 市教育委員会殿、若者の視点での運営、柔軟な発想で成人式を考え直す時期です。 たとえば、成人式は中学卒業後4、5年目で同窓会の色合いが強く、会場を中学校区コーナーにして 参加者が自由に語り合えるパーティ方式はどうでしょう。 そこに市長や来賓が入って行けばよいのです。 壇上からでなく同じ視線で。 政治家の挨拶などは省略しても構いません。 文字どうり、成人式は大人になった若者に任せるのが一番です。 |
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