6 1994年3月号
役所名物「たらい回し」

縦割りはなくならない? 行政機構は市民のために

 ある朝、私の地元の楠葉地域のMさんから「昨夜の雨で、自宅前の側溝が水浸しになっています」と
電話がありました。
早速、現地に出向くと下水溝が詰まっているのか玄関先まで冠水していました。
直ちに担当の下水道部下水維持課へ連絡して修理するよう依頼しておきました。
 その日の夕方に下水道部が来てくれましたが、「これは、側溝が詰まっているので土木部の担当です」と
いって帰りました。
 それから数日後、土木部道路維持課がきました。
しかし、「調査をすると下水本管が詰まっているので下水道部の管轄です」との見解。
結局、最初の下水道部が修理しました。
皆さんも一度は役所でこのような経験がおありでしょう。
縦割り行政の弊害です。
これを「役所名物たらい回し」と人々は皮肉を込めて表現します。
 枚方市では、道路から側溝までが土木部道路維持課、会所から排水管は下水道部下水維持課の担当と
決めています。
市民から見るとそのような区別はわかるはずがありません。
役所だって現地に行って見ないとわからないケースが多くあります。
市民から通報があったとき土木と下水の両方分かる人が行けば解決するでしょう。
無駄のない行政機構にするために、道路維持課と下水維持課を統合させてはどうかと平成3年11月の
決算特別委員会で提言しました。
当時の土木部長は「庁内協議を要して公営所的なものを設置し、全体管理をして行くことを考えていく」と
答弁しましたので期待していましたが、その後の見直しの動きがいっこうにありません。
 今度は、平成5年3月の本会議で市長に質問することにしました。
市長の答弁「部を越えた組織を今設置した場合の指揮・命令の問題や責任と権限の問題等の整理に
今少し時間を要しますので……」
これでは役所自身の縦割り行政の弊害です。
どうも枚方市役所は、昔から組合の色合いが強いのが影響しているのでしょうか。
 市役所は市民に役に立つ所です。
行政機構は職員のためでなく市民の視点で考えるべきです。
 20数年前の枚方市は、道路維持と下水維持は同じ課であったことを付け加えておきます。


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