8 1994年5月号
教育委員会のエレベーター人事は馴れ合いの原因です 財政より教育が先
 会社の本社の管理部長が地方の支店長に転勤になれば皆さんはきっと左遷と思われるでしょう。
しかし、枚方市では当たり前のようにおこなわれています。
 私が初めて当選した時の学校教育部長はYさんでした。
しばらくすると定期異動で小学校の校長に就任されました。
学校教育部長というのは小、中学校を統括し、校長を管理指導する立場です。
 その人が一転、管理される立場になります。
その前の学校教育部長も小学校長に異動しています。
新しい学校教育部長は、逆に校長からの異動です。
民間出身の私にはどうしても理解できない不思議なエレベーターのような人事です。
 後輩の学校教育部長が先輩の校長に指導監督はやりづらいはずです。
ある学校教育部長経験者の校長はそれをいい事に学校教育部長をイビリ通しだったそうです。
これでは馴れ合いになって当然です。
 この「一筆啓上」で小学校の創立記念式典の事件、成人式の運営など教育委員会の問題点を取り上げて
きましたが元凶はここにあるのではないでしょうか。

先生の給料は大阪府が払います
 調べてみると、校長はじめ教師は大阪府教育委員会に所属します。
事務職は枚方市教育委員会の所属です。
したがって校長の時の給料は大阪府から支給、学校教育部長は事務職になるので枚方市の支給に
なります。
賢明な皆さんはもうお分かりになられたでしょう。
定年の前に校長に戻ると退職金は大阪府の支払いになるからです。
確かに、数千万円の退職金支払いを枚方市は免れますが、それで組織が馴れ合いになるならばお金に
換えられないものを枚方市は失っているのではないでしょうか。
大阪府や枚方市の支払いといっても同じ税金なのです。
 枚方市の教育委員会の事務機能は教育長と学校教育部、管理部、社会教育部の3部長ですが、
市長のもとに、助役や理事など多くの幹部管理者をおいておられる本庁と比較すれば、幹部が少ないことや
学校教育部長の指導力を高めるために平成3年12月本会議の一般質問で組織強化を指摘したところ、
平成4年度に教育長と部長の間に理事ポストを新設されました。
その理事も今年の春の異動で中学校の校長になられ空席です。


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