9 1994年6月号
枚方名物

菊人形・交通渋滞・汚職
相次ぐ不祥事はどうして? 制度の改善よりモラルに課題

 度重なる不祥事の枚方市役所。
この一月余りで新聞で報道された不祥事は、引越し荷物まちがい破棄事件(6月7日)、下水処理場の
汚水たれ流し事件(5月21日)、 中学校の答案用紙紛失事件(5月26日)、そして下水道部の
汚職事件(4月27日)。
毎朝新聞を見るのがいやなくらいです。
わたしが議員になってから汚職事件だけで、昭和62年9月に都市整備部の贈収賄、昭和62年10月の
下水道部の贈収賄、平成3年5月には市議の絡んだ下水道部の贈収賄、平成4年11月の福祉部の
ケースワーカーの横領事件がありました。
なぜこれだけ続くのでしょうか。
 5月6日の市議会建設常任委員会の協議会で、枚方市は再発防止のために調査委員会の設置を
発表しましたが疑問に思うのが二つあります。

調査委に第三者を
 調査委員会は今回が初めてでなく62年、平成3年の事件の際に二度も設置されながら、今回なぜ
生かされなかったか。
二つに調査委員会のメンバーが委員長・副委員長に助役、委員に6人の部長、幹事に4人の課長で
構成したことです。
いわば"内輪の調査委員会"です。
これでは真の解明と対策はでてきません。
私は建設委員会で「調査委員会は専門家や市民などの第三者をいれた構成にすべき」と提言しました。
大塩市長は「庁内の自浄作用が大切なので」とやんわりと拒否しました。
 6月6日の総務常任委員会の協議会で調査委員会の中間報告がありましたが、 内容は小規模工事
発注制度の見直しが大半でした。
制度をいくらいじくっても不正はおこります。
運用する人のモラルが大切ではないでしょうか。
今回の事件で呆れたのは贈賄罪の業者から机いす20組、キャビネット等10数個を贈ってもらい事務所の
全員で堂々と使っていたことです。
いまだに返却もしていない体質に自浄作用があるとは思えません。

注意のできない幹部
 不正を見ても知らぬ振りをする幹部職員。職員に注意、指導もできない幹部職員たち。
かって汚職で懲戒免職になった元職員が久しく幹部席で談笑する光景は異常です。
 建設常任委員会で、私はたまりかねて 「枚方市の名物は、菊人形と交通渋滞そして汚職だ」と比喩
しましたが、このままでは必ず不祥事は再発します。
総務と建設常任委員会合同の調査特別委員会の設置を提案しています。
そこで積極的に究明して行きますが、根本は制度の問題でなく、たるみきった職場と職員を改革
することです。
それには中心者の強い姿勢が求められます。
枚方市の幹部にオーナーとしての自覚が必要です。
深刻な不況下におおくの民間企業ではトップを中心に労使一丸に歯を食いしばって頑張っておられます。
お客様は市民、決して職員ではありません。


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