10 1994年7月号
ある課長からの電話

疑惑の職員は誰が裁く?!
大きい新聞報道の波紋 市役所の不祥事の続報

 本会議一般質問を4日後に控えて自宅で、原稿を作成中の6月17日の夜遅く市役所のA課長から電話が
かかりました。
A課長というは、下水道部の汚職事件にかかわって5月23日のS紙に「土木部幹部にも現金」と報道がされ、
記事を読めば市役所内の人なら誰のことか特定できる渦中の人です。
「役所でも白い目で見られ、自宅にもイヤガラセ電話が続きノイローゼになりそうです。残念なのはだれも
新聞記事を見て『本当か?』と聞く人がいません。疑っているのでしょうか?。私は無実です!。
このままでは灰色職員です」。受話器から涙ながらの声が聞こえてきます。
A課長は以前からよく知っている人で記事のことは誤報であるとは思っていましたが、これ程つらい思いを
されているとは思いませんでした。

職員を大切にしない
 市は不祥事について調査中と言いながら、疑惑の新聞報道がされても直属の上司も、人事部も、
調査委員会も、本人から確認をしないことに不誠実さを感じました。
私は急遽、6月21日の一般質問の原稿を差し替えることにしました。

鈴木 「新聞報道から一カ月以上経つのに事実確認をなぜしないのか?」。
部長 「幹部職員が事情聴取を受けた事を聞いたこともないし、報告も受けていない」。
助役 「職員への収賄容疑はないと信じている」。

一体だれが原因究明をしているのかわからないでしょう。
誰も素知らぬ顔をする冷たい庁内の体質に義憤を感じます。

鈴木 「事実でないならば枚方市は反論、抗議すべきだ。市民は報道でしか知り得ない沈黙をしていれば
事実であると理解される。本人の名誉のためにも枚方市のためにも潔癖を内外に知らすべきです」。

 7月6日にS紙からお詫び記事がでました。
A課長が、新聞記事のコピーを片手に喜んで来られました。本当によかった。
 一人の職員であろうと良い意味で守らないと、ほかの職員も枚方市に対して不信をもち、やがては
やる気を無くします。
枚方市がこの9年間で5度も摘発を受ける背景はここにあるのではないでしょうか。
馴れ合いと守ることは違います。
まじめに働いている職員を大切にしていただきたい。


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