12 1994年9月号
議員1年目の失敗談から

これがお役人の素顔
働く人したたかな人 なぞなぞのお役人!?

 議員になって半年目、道路舗装の要望が通り偶然に深夜の12時ごろその現場に差しかかった時の
ことです。
いつも役所で見慣れたA課長が陣頭指揮の真っ最中。

鈴木「どうしたのですか?こんなに遅くに…」
A課長「深夜工事はトラブルが多いので見にくるのです」
鈴木「なにも課長が来なくても…」
A課長「部下が深夜頑張っているのに知らん顔できますかいな」
その後、他の工事現場でもよくA課長の姿をみかけます。

反対運動の未熟さ
 議員なって1年目。
枚方市東山地域で5階建マンションが建設されることになり地域住民から反対の声が上がりました。
私の支持者の紹介で相談に来られたので、何度も現場に足を運び枚方市役所へ陳情も繰り返しました。
 もう一息で住民の要望がかなう段階までこぎつけました。
そんな最中に市役所の廊下でバッタリと反対運動の住民一行とあいました。
気まずそうにされるので「おかしいな」と思いながらも気がつきませんでしたが、後になってその時は何でも
反対の党の議員に陳情にいっていた帰りだったのです。
成果が出そうになったので誰かが手引きをしたのでしょう。相手の非常識に空いた口がふさがりません
でした。
市役所の担当者はそんなことおくびも出しません。
議員として未熟さを感じるとともにお役人のしたたかさを知りました。 
 まもなくマンションは計画通り認可され工事が始まりました。地域には何の補償もなく…。

万事休すの市民相談
 同じ頃、枚方市長尾家具町の空き地に廃材やゴミが不法投棄され悪臭を放つようになりました。
衛生上たまりかねた周辺の住民の方から苦情が寄せられました。 
手続きをよく知らないままに住民の方に行政で撤去することを約束しました。
しかし、清掃局に依頼すると「民間の土地は対象外で手が出せませんよ」。
公害課にいっても「土地所有者に指導するのが精一杯です」とのこと。
土地所有者は転々としてわかりません。
撤去すると言ってしまったので責任重大です。万事休す。
 こうなれば私達で処理するほかなく住民で燃やそうということになりました。
燃やすとなると火災の心配や灰の処理など課題がでてきます。
困っている私に、市役所のC部長は「地域の防災検査に消防車が出動するのですよ。検査を
しましょうか?」。
「道路にゴミが出ておれば清掃局のテリトリーですよ」と謎をかけてくるではありませんか。
大胆なお役人に感銘を受けました。
結果は実行する直前になって土地所有者が偶然に判明、撤去され解決しました。
 以後、何かと謎をかけてもらいます。
  そんなことで今でもC部長は私の謎解き師匠です。


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