15 1996年2月号
初の府議会決算特別委で質問

府営住宅はお金持ちですか!?
収入実態の公表を渋る担当者 月収307万円の入居者には驚き

 府会議員になって多い相談は「府営住宅に入りたいが抽選に当たらない」ということです。
大阪府営住宅は128,371戸。
年4回の空き家募集は公開抽選で平均倍率は20倍。
とても抽選に当たるのは至難のワザです。
入居対象は庶民の皆さんですが、何回も落選で仕方なく民間賃貸住宅で高い家賃を払わなくては
なりません「議員のコネで入居できないか」と問い合わせを頂くほど切実な状態です。
そんなおり、「やっと当選したのに収入が基準より千円オーバーで入居させてくれない」と相談がありました。
早速、府住宅管理課に問い合わせました。

【鈴木】千円程度なので了承できないか?
【府】収入超過だからできません。

一種住宅で認定月収19万8000円以下が条件で1円の超過でも失格です。
入居時は厳格だが入居した高額所得者にも厳格にしているのか疑問です。
調査無くして発言なし。
決算特別委員会(1月25日)で取り上げることにしました。

【鈴木】収入超過の世帯数と比率は?
【府】44,092世帯で全入居世帯の34.3%
【鈴木】そのうち高額所得世帯(認定月収339,000円以)は?
【府】8,058世帯。
【鈴木】この数字をどう思われるか。
【府】応募倍率の高い現状では望ましくない。
【鈴木】高額所得者の月取ベスト10と不法入居年数は?。
【府】1位,307万円(1年)、2位,228万円(7年)、3位,214万円(9年)、4位,214万円(2年)、
5位,210万円(7年)、6位,174万円(5年)、7位,164万円(14年)、8位,134万円(6年)、
9位,133万円(6年)、10位,130万円(3年)。
【鈴木】どのような対応をされているか。
【府】順次面談を行い特別な事情がなければ退去するよう指導している。

ある程度の収入基準オ一バーはやむを得ないと思いますが、月収307万円は住宅に困窮する低所得者を
対象とした公営住宅の趣旨からも大きく逸脱しています。
これらの高額所得世帯8,058世帯には厳格な態度で臨まなけれぱ不公平です。
決算特別委で事前に収入超過世帯の所得金額別、超過入居年数、職種など資料請求をしていましたが、
府は出し渋ってなかなか出しません。
「出しなさい」「出したくない」の押し問答。
とうとう1月25日の質問日の朝に提出してきました。
質問したことで初めて府営住宅の実態が明らかになり、委員会で府幹部からも一斉にため息が出たほど
衝撃的でした。
その日の産経新聞夕刊トップで、翌日には読売、朝日、毎日新聞で紹介され大きな反響を呼ぴました。
後でわかったことてすが、府下の住宅管理事務所に指示し高額所得世帯の資料を質問前日に作成した
ようで実態を完全に把握していなかったと思われます。
本当に住宅に困っている人が入りやすい府営住宅を確保するため募集や収入基準、割増家賃など運営
システムを府は見直す必要があります。
議員の議会質問に傾注するより府民に意識を集中するのが会務員の本分ではないでしょうか。


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