16 1996年6月号
委員会質問

質問されたくないお役人
質問するのは議員の権利 委員会は真剣勝負の舞台

 議員は、本会議と各種委員会で質問することができます。
上程された議案審議を通じて府民の声をどれだけ反映できるか議員の真価が問われます。
ところが、大阪府議会にいってびっくりしました。
初めての常任委員会を迎えようとしている平成7年9月のことです。

【役人】私共に何か質問をされますか?
【鈴木】〇〇助成金について質問します。
【役人】質問趣旨を教えてください。
【鈴木】△△の見解を伺う予定です。
【役人】事前に説明しますので、できれば質問はよろしいでしょう。
【鈴木】どういう意味ですか?。質問することが議員の仕事ですよ。

「質問取り」といって府では課長代理クラスが議員から質問趣旨を聴取する役目になっています。
どこの行政でもお役人は議員から質問されることを嫌います。
議員から質問をさせないことが評価されるそうです。

また次のようなことも…。
【役人】質問趣旨はわかりましたので、まとめてきます。
【鈴木】よろしくお願いします。

数日後、
【役人】これでいかがでしょう。
【鈴木】・・・ !

もってこられた原稿を見て驚きました。
お役人の答弁原稿と思いきや私の質問原稿まであるではありませんか。
それも非の打ち所のないQ&A原稿です。
 本会議での代表質問や一般質問は、持ち時間のなかで全項目の質問をしたあとに答弁があるので事前に
質問通告を行い「すり合わせ」をすることは議事進行上、必要と思います。(傍聴された府民の方々には
おもしろくないかも知れませんが)
しかし、委員会質問は一問一答形式です。
このときぐらいは論議できなければするときがありません。
 枚方市議時代の委員会質疑は事前通告すらなく、直接論議するので議員は猛勉強して望むし、お役人も
負けまいとお互い真剣勝負です。
 府議会でもメモだけで質問する議員や 自身の原稿で追及する議員の質問は、聞いていて緊張感が
あります。
最初から最後までお互いがお役人が用意した原稿を読み上げるのは感心しません。
質問は議員がするもの、答弁はお役人がするものです。
審議のできることが議員の命です。
お役人のペースにはまると骨抜きにされそうです。
お互いがやがては堕落するのではないでしょうか。
 委員会室が狭く、一般傍聴席がないのも原因のひとつです。
府民の方々が傍聴されていれば変わるはずです。
傍聴しているマスコミの方が何も言われないのが気にかかります。


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