26 1997年9月号
泉佐野コスモポリス集中審議

稟議書は一枚もありません!
杜撰な用地買収に責任は無し 官民悪い部分ばかりの三セク

 泉佐野コスモポリス問題で調査報告書が提出されたのをうけ8月12日、商工農林常任委員会で集中審議を
行いましたので要旨を報告します。

【鈴木】公図も存在しない山林を地権者の言うままの面積で買う等、5ヘクタール20億円も余分に買わされた
杜撰な用地買収の原因は、航空写真も撮らず全体面積を確定せずに用地買収に入った事だ。
【立地経済交流課参事】ある程度の外周で面積を確定したもので、正確な測量でない。
区域内の同意を早く取りたかった。当時としてはやむを得なかった。
【同課長】航空写真による測定はしていない。
地権者との確認行為が基本的になされていなかった事が大きい要因と思う。
【鈴木】買収担当者はコ社の社員ではなく泉佐野市職員8人、銀行3人、ゼネコン2人の4班13名の体制で
あった。
買収担当が市職員では、地元地権者に押されるのは当たり前でないか。
【商工部副理事】市職員のままで買収することは誤りでないと思う。
ヘッドクオーター機能、チェック機能がなされない状況だった。社員には責任がなかった。
【鈴木】社員に責任がないならば取締役に責任があるのではないか。
【商工部副理事】道義的責任はあっても法的責任まではない。
【鈴木】1年間の金利30億円だから、言いなりの買収に応じた方が安上がりといわれるが、誰が判断
したのか。
【商工部副理事】全取締役に認識があった。
【鈴木】コ社や取締役会の議事録を示せ。
【商工部副理事】議論された取締役会会議録は承知していない(ないということ)
【鈴木】総量規制など土地投機撤退の時期に破綻する予測、決断がなかったのか。
主導的な立場をとってきた府の責任は重たいのではないか。
【商工部副理事】会社として見直す時期が遅れたことは否めない。
【商工部長】判断ミスをした府幹部職員の責任は問われると考えている。
【鈴木】破綻した土地利用計画を、庁内で検討するのは異論がある。
破綻処理を含めコ社で検討か、府、泉佐野市、銀行団、ゼネコン等で協議すべきだ。
【商工部副理事】土地を買うためには事業目的がいることと責任論から審議した。
今委員会の指摘を踏まえ時間をかける。

 質疑を終えての感想は、コ社の取締役会や内部組織がまったく機能しておらず個々の面積相違問題を
取締役会で論議したこともなく、経営危機の議論もなく責任の所在が明確でない実態でした。
第三セクターは官民のよさを出し合うことにありますが、コ社は官民の悪いところを出し合ったようです。
 用地買収の稟議書が一枚もないのには驚きました。
600億円を越える買収業務で出金伝票も無いというのは信じられないことです。
無いよりも「処分した」のでしょう。
後味の悪い質疑に終始しましたが、これからも引き続き、十分に調査をし審議に望んでいきます。


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