30 1998年2月号
泉佐野コスモポリス破綻の民事調停

総額240億円の多額な買物
銀行への責任表明に疑問! 17日の商農委で集中審議

 第三セクターの株式会社泉佐野コスモポリス社破綻で大阪府と銀行団の民事調停案が議会に示され、
2月17日に商工農林常任委員会で集中審議が行われることになりました。
調停案の内容は、
@府と泉佐野市がコスモ社所有地を142億3000万円で買い取る。
A府の貸付金70億円を放棄する。
B府と泉佐野市が9億円の解決金を支払う。
C銀行団とゼネコン間の調停内容には府と泉佐野市は関与しないの4点です。
 府の幹部による不祥事事件、裏金問題、老人医療費助成制度廃止など府民の方々の不信が続くなかで、
200億円を越える税金で処理しようとするのは、到底、府民の理解が得られません。
今回の調停案は主導的な役割を果たしてきた府の責任の取り方として多額な土地購入案は、銀行団に
対してであり、府民に対して責任を取ったとはいえません。
焦点となる問題点が数多くあります。

不明朗な土地鑑定評価額
 今回の142億3000万円の買取り額は、府が谷沢、赤沢両鑑定所に依頼し、府財産評価審査会に諮り
算出した価格に基づいています。
しかし、昨年の2月議会提示の196億4000万円の算出根拠を調査したが、 鑑定をかけた形跡がなく、
府財産評価審査会にもかけられていません。
 今回のような土地鑑定の手順を踏まないのは府が銀行団交渉で、190億円程度で買取る密約が
あったのではないか。
今回の鑑定評価額が予想よりも低く、昨年の196億4000万円に近づけるため、貸付金(70億円)の放棄、
解決金(9億円)を上積みしたのではないかと思えます。

大阪府の負担増大
 民事調停案の府負担は、用地購入費130 億5000万円(泉佐野市分除く)。解決金6億円(同)。
70億円の債権放棄は、28億3700万円の利息、違約金がつき総額98億3700万円。
用地取得事務費約5000万円。出資金1億6000万円。合計236億9700万円に上ります。
これ以外にも、民事調停や特別清算の弁護士費用、所有地の維持管理費が必要でまだまだ負担は膨れ
上がります。
これでは結果的に昨年より府の負担が大きく、後退した処理案です。
その他、70億円の貸付金を府が全額放棄すれば、債権者の立場を放棄することで今後の交渉で不利。
「解決のための原資として」の理由で支払う解決金9億円の法的な根拠はあるのか。云々。
危機的財政状況でまた府土地開発公社に借金させて急場を凌ぎ先送りする手法は好ましくありません。
17日の商農常任委員会集中質疑では厳しく追及します。


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