41 1999年9月号
トルコ大地震の募金活動

阪神大震災教訓忘れまじ
震災体験広く伝承しよう 災害の備えをしない増加

「おっちゃん! カンパするでー」
 「ありがとう」。
真っ黒な日焼け顔にラメをぬり、厚床の靴を履いた現代流行の女性づれが千円札を遠慮ぎみに募金箱に。
意外な人の募金に驚くとともに「外見だけで人を判断してはならない」と反省。
 8月22日の昼下がり、京阪電鉄・枚方市駅前で山下栄一参議院議員、森裕司党枚方支部長はじめ
枚方市議の皆さんとトルコ大地震の募金活動の一コマです。
 前日の21日早朝、和歌山県新宮市を震源地にした震度5弱の地震の影響もあったのか短時間にも
かかわらず多くの募金が集まりました。
義援金は在トルコ大使館を通じ届けます。有り難うございました。
 8月17日未明、マグニチュード7.4を記録したトルコ大地震は、イスタンブールから東へ約100qの
イズミット地方です。
犠牲者は1万3000人、負傷者も約3万人。
行方不明は3万人以上で、20万人以上の被災者がテントで生活し救援を待っています。
トルコ国内はアラビアンプレート、ユーラシアプレート、アナトリアプレートが交錯する地域で、今回の発生した
北部は東西に約1000qの北アナトリア断層が走り、1937、42、43、44、51、57、67年にマグニチュード
7クラスの大地震が発生しています。今後も危険な状態が続きます。
そうした時に、総理府が「防災と情報に関する世論調査」の結果を発表しました。
調査は今年の6月、全国の成年男女3000人を対象に実施されたもので、大地震に対する備えを聞いた
ところ、「特に何もしていない」が、97年9月の前回調査時より10.7ポイント増の34.0%に上昇。
これに対し、「懐中電灯、携帯ラジオ、医薬品などを準備」は50.2%で前回比7.7ポイント減少。
また、食料や飲料水、消火器などの備えをしている人の割合も減少しました。
国民の三人に一人が大地震に対する備えを何もしておらず、懐中電灯や非常食などの準備をしている人の
割合も、阪神淡路大震災のあった1995年をピークに減少傾向にあります。
大震災からわずか4年半で国民の防災意識が薄れています。
阪神淡路大震災を経験した府民として震災体験を広く、長く伝承させなければなりません。


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