45 2000年3月号 |
外形標準課税の波紋
役入の言い分鵜呑みに反省 |
石原東京都知事が、大手金融機関30行に対して、企業の利益によって法人事業税(都道府県税)の 税額を決めている今の所得標準課説方式から新たに外形標準課税を適用することを表明しました。 都は、赤字の企業も税金で賄われている行政サーピスを受けていることから利益に関孫なく資本金、 売上高、社員数など基準にして課説できる外形標準課税に着目しました。 不況により全国の企業の6割以上が赤字で法人事業税を納めていません。 全国の都道府県の財政が悪い主な原因は、この法人事業税の落ち込みにあります。 特に中小企業の多い大阪府は深刻です。 どこの都道府県も企業が赤字になれぱ微収できず景気に左右される不安定な現在の所得標準課説制度に 悩みがありました。 私も外形標準課税制度を知っていましたが、府の担当幹部職員に尋ねた時。 「大蔵省、の見解では難しい。府独自で課税することはできない」。との答弁…。 お役人の言葉を信用していましたが、今回の都の動きで、お役人の言い分を鵜呑みにした自分自身を反省。 行政をチェックする議員としては怠慢です。独自で研究する努力を忘れてはならないと改めて感じました。 都の間隙をぬった作戦は一石を投じた快挙です。国の論議を待っていたのでは何もできません。 地方で発想し、地方から発信し国を変えて行くことが地方分権です。 府が都と固じ方式で外形標準課税を導入すると約300億円の増収になります。 しかし、府は都と違い国から約3000憶円の地方交付税を受けており、税収が増えた分の約8割は交付税が カットされ実質増は約60億円になります。 都のようなメリットは多くありません。 逆に、都の増収分だけ国の法人税、地方税の法人事業税が減少し都だけが得をすることになります。 都道府県が景気に左右されない税収を確保するため外形標準課税は必要であり、実施するならぱ全国的に おこなうべきと思います。 銀行だけの課税は不公平か 銀行だけに課説するのは不会平との意見がありますが、銀行に対して、政府は税金という多額の 公的資金を銀行の不良再建処理に投入し救済してきました。 また、強引な債権回収や高利で社会問題化した「商エローン」から中小企業経営者が借り入れているからと いう理由で融資を断りながら、「商エローン」に銀行が多額の融資をしていた経営姿勢も明かになり、銀行の 異常さが目立ちます。 0.15%という超低金利の時代に、多くの国民は銀行に不満を抱いており、今回の都の「銀行税」に喝采を 送っているのではないでしょうか。 |
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